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私と夫とゴムの樹と


2019年9月、私は入籍した。
出会いはマッチングアプリ。
以前では考えられなかったが、文明の利器により結婚生活を送ることができたのである。

…なんだけど、ただSNSが発達したお陰だけじゃないなぁ〜と思っていて。
じゃあ、それはなんなのかなって言うのを書きたいなあって。

そう思ってたら、リビングのゴムの樹が目に入った。
花言葉は『永遠の愛』らしい。
このゴムの樹に私は特別な思いを寄せている。

そうだ、ゴムの樹に寄せて2人の出会いを書いてみよう。
そしてこうして結婚出来たことに周りへの感謝を込めて綴りたいと思う。

出会いは突然に

3年前の夏、私は福岡にいた。
と言っても旅行ではなく、実家に帰省していた。

私の実家は佐賀県。
九州の首都的存在の福岡県の隣なのに、なぜか佐賀県の場所は知られていない。
九州の上の方にあり、長崎県と福岡県に挟まれ、最近アニメとよくコラボしている。
ついでに言うと、キングダムの作者・原泰久さんは佐賀県出身。

なので、佐賀県からあの壮大な漫画が生まれたと言っても過言ではないのだ。

(そんな私はまだ映画しか見てません。偉そうに言ってごめんなさい、これから読みます…余談ですが楊端和役の長澤まさみさんは本当に痺れました。強い女性、素敵。)

それはさておき。
その当時、私はマッチングアプリで婚活中。既に2人の男性とマッチングしていたが、お互い合わなかったのか、フェードアウトしていった。

たった2人と侮るなかれ。
その裏で私はマッチングアプリを毎日稼働させ、一日の上限いいね!(※)を押しまくっていたのだ。

(※)そのアプリでは、その当時の一日の上限いいね!は20人だった。
いいね!を送り、相手とマッチングしてメッセージのやり取りが始まる。
そこで意気投合してご飯やお茶に行く

そんな事を3ヶ月くらいし続けて、少し疲れてきていた矢先。
衝撃的なメッセージが突然届いたのである。


『僕、今福岡に旅行に来てるんですよ。』


…え、まじで!?
そんな都合がいいことある?
私はまさに今日、帰省してきて今佐賀にいる。

数日前からマッチングした彼
(ここではN氏と呼ぼう。)
メッセージのやり取りも穏やか。
しかも、食べるのと美術館行くのが好きときた。

私の趣味の一つは美術館に行く事。
同年代でこんな趣味を持つ異性と出会ったことはこれまで私はなかった。

こ れ は あ う し か な い

N氏は東京で仕事している。
東京でも会えなくはない。
しかし、ここで会わなくてはならぬ。
と私は思ったのだった。

ぶっちゃけ会えなくてもここで面白いですね!となれば多分友達にはなれるはず。
などと思い、指を走らせる


『そうなんですか!
私も実は今日から帰省してて、佐賀にいるんですよ(^^)
よかったら会いませんか?』

送信

もう、送る瞬間にCHELLYが頭の中で流れた。
まだ何も始まっていないのに笑
『指先で送る君へのメッセージ〜♬』

ソワソワして返事待つと、すぐ返事がきた。
『そうなんですね!都合合えばぜひ!こちらの予定調整します』

というような内容の返事がきた。

まじか。
なんていい人なんだ!
まだ会えるか確定していないのに、その時点で有頂天になる私であった。

そしてその3日後、九州の首都的存在の福岡は天神に来ていた。
片道一時間半かけて。
東京・福岡間が一時間半〜二時間だから、もはや東京で会ってるのと変わらないじゃないか?と思ったりした。

ちなみに、N氏はその日の夕方の便で東京に帰るとのこと。
『うまくいけば次は東京か〜』などと思ってたら、携帯が鳴った。

N氏が来たようだ。
どこだーと探してたら『ななさんですか?』とN氏が現れた。

N氏はメガネかけた爽やかな青年だった。
『はじめまして〜』と挨拶を交わし、天神岩田屋のカフェに向かう。

あっと言う間の二時間

『旅行はどうでした?』
と当たり障りのない会話からスタート。
メッセージのやり取りで、N氏は前職が福岡で今年転職して東京に来ていたことを教えてくれた。

『楽しかったですよ。前職の人にも何人か会えました。』
そこから、どうして東京に転職しようと思ったのか、そこから仕事の話になり、お互いの仕事の価値観みたいな話をしていた。

初対面なのに、いきなり仕事の話。
今思えば転職カウンセラーのようだったかもしれないが、N氏は楽しそうに話してくれた。

お互いの趣味の話、私がその当時東京都美術館でやっていたお弁当展のファシリテータの話をした。
お弁当を介した人と人との繋がりをテーマにした展示だったので、ちょうどよかったのかもしれない。

会話のペースやテンポが心地良く、あっという間に二時間が過ぎていた。
実は私は初対面の人と話すのは苦手だ。
なので会話を頑張って繋げようと聞き役に徹し、これでもかと会話を拾う。
まるで世界バレーのように、的確にトスを出し、相手にアタックを決めさせるのだ。

これが気の合う友達同士の集まりや仕事なら楽しいし、ビジネスにもつながる。
しかし婚活はそうはいかない。
毎回自分の興味ないことでも頑張ってトスを上げ続けた。

相手に嫌われないようにと思ってやっていたが、結果自分が疲れるし楽しくない。
今回もまたそうなる事を恐れていたのだ。

しかし、今回は奇跡的にそんなこともなく、楽しく会話をしている。
仕事の話は100歩譲り、美術館の趣味の話でこんなに盛り上がるとは…

婚活を始めて自己分析したかった結果、求める男性像の一つに
『仕事を楽しんでいて、お互い頑張っていることを応援できる人』
があった。
N氏はそれに合いそうだ。

『東京でも会いませんか?』
気付けば私からN氏に持ちかけていた。
『いいですね!』と2週間後に東京で会う約束を取り付け、天神駅の改札で別れた。


そして、その半年後。
私はN氏と婚約し、今は夫になっている。

ゴムの樹に見守られながらの日々

リビングに飾ってあるゴムの樹。
この樹は結婚式で使ったシンボルツリー。
披露宴の受付の際、参列の方から苗木が入った植木鉢に土をかけてもらい、披露宴で新郎新婦が最終仕上げ、水を注ぐというセレモニーをやった。

何がシンボルかというと、この樹には2人がこれまで出会った人達との軌跡を込めたのだ。
たとえば、2人が出会うまでにはこんな出会いや偶然が重なった。

私がマッチングアプリを始めたのは、友人のMちゃんがおすすめアプリを教えてくれたからだ。
Mちゃんは人材系の会社で働いており、勤め先のアプリで人材マッチングも行なっている。
テスト調査でマッチングアプリを使ったところ、よかったのでお勧めしてくれたのだ。

そして、このMちゃんとはSNSを介して出会っていた。
そのきっかけを作ったのが私の1番仲良しの元同期Hちゃん。

彼女は10年前からTwitterを始め、そこから自分の発信でフォロワーが一時1万人達成した、発信力の塊。
5〜6年前のことだったから、今からするとやっぱすげーなと思う。
そんな彼女のフォロワーだったのがMちゃんだ。

ある時、Mちゃんも交えて出会い、それからずーっと仲良くしている。

そして私は大学進学と共に上京した。
当初母は上京に反対したが、最終的には大手を振って送り出してくれた。
その4年後に東京で就職。
内定式の帰りのエレベーターの中で会ったHちゃんと飲み会に行くことになった。

そもそも東京に行くことになったのは、当時演劇部だったこともあり、演劇が盛んな大学に行きたいと思ったから。
周りの友人達も関東や関西に進学する子が多く、それも背中を押してくれた。

受験の結果、私が東京に上京していなかったら。
今の会社に入社していなかったら。
HちゃんがTwitter始めていなかったら。
Mちゃんがアプリを教えてくれなかったら。
このどれか一つでも欠けると、私は夫と出会うこともなかった。

これだけではない。
これまでに私達は沢山の人達と出会い、沢山の愛を注いでもらった。
私達2人は沢山の人から慈しみ育んでくれたおかげで、新しい家族になれたのだ。

このゴムの樹は、これまでの私達とこれからの私達なのだ。
これまで注いでくれた沢山の愛を、私達も同じように注いでいく。
それは家族や友人等、私達の人生に関わってくれる沢山の人達へ。

そんなことを思いながら、夫と今日もゴムの樹のお世話をする。
今年の3月に挙式してから、既に4枚の葉っぱが生えた。
今のところ、私達の愛も充分なようだ。

これからもこの愛を絶やさず、2人の家族を育んでいきたい。

P.S
N氏は『僕と妻とときどき目玉焼き』を書いています。
妻は時間切れでキナリ杯には間に合わずでしたが、よかったら読んでやって下さい/(^o^)\  入選関係なくいつか岸田さんに会えますように。

ボクと妻とときどき目玉焼き|Nao

#note
https://note.com/o7010n/n/naf25a2d49a0c

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