ありがとうございます。ファンです。そして号泣
9月18日に何の議案もなく、K氏が裁判官きどりで進行した異様な臨時総会が終わると、理事会も大規模修繕委員会も完全に硬直してしまいました。
記録をめくってみましょう。
臨時総会の後、次に理事会が開催されたのは2017年10月22日。実に1か月の間があります。
私たち大規模修繕委員会はその理事会開催前の2017年10月19日に集まって次のことを話し合い、22日の理事会に向けて上申しました。
しかし理事会と言っても、I氏を除くメンバーはすべて大規模修繕委員会のメンバーなので、22日の理事会は、いわばI氏への報告会みたいなものだったと思います。
大規模修繕委員会でどんなことを話しているかというと、
・水の出が悪い件
水道水道という人々を慮り、再度調査しようか、という話が出ていました。
・とある階の雨漏りについて
このお宅は以前にも雨漏りで天井に水がしみたことがあり問題になっていました。その時も原因調査はしたはずですが、今回再び雨漏りが発生しました。
古いマンションにとって建物への水の侵入は建物の構造そのものを劣化させる最も危険な状況です。早急な対応が必要と思われました。
個人的には過去の雨漏りや水漏れのこともあり、ここ数年は毎年のように保険を利用する状況が続いていることが気になっていました。
・民泊について
2017年ごろから「インバウンド」という言葉が当たり前のように新聞の紙面などにはびこり始め、わたしのマンション周辺エリアも、雨後の筍のように小さなホテルや民泊が増えました。
一部マンションには、居住していない区分所有者が勝手に民泊を始めるケースもあり、問題になり始めていたころです。
ちょうど民泊は法改正直前のタイミングでした。マンションの管理組合には、お上から「民泊していいことにするのか、民泊は禁止とするのか、この法律が施行される前に決めなはれや」という感じのお触れも回ってきていました。
面白いことにこういうお知らせは、管理組合のあるマンションならどこにでも、ちゃんとお知らせ(お触れ)がしかるべき行政機関から回ってくるんです。税金の還付や、公的補助の申請は個人が調べないとわからないのに、日本て不思議ですね。
それはともかく、高齢者が多くて小さなうちのようなマンションで民泊を始める人はいないように思われましたが、未来のためでもあります。
マンションでの民泊禁止は早急に総会で決議しないといけない内容でした。
私個人は…
ある日午後から休みをとって、耳鼻咽喉科を訪れました。
耳鳴りと聞こえのテストをしてもらうためです。
この頃、本当に間断なく耳鳴りがし続けていました。
特殊な小部屋に入り、健康診断のときにやるようにヘッドフォンをかけて聞こえてくる音に耳を澄ましていました。
結果は、左耳が明らかに聴力低下していました。
聴力を示したグラフは、あるところで左耳の方ががくんと下がっていました。医師は飲み薬を処方してくれました。でも、難聴に効く薬なんてきいたことがない。最後まで飲み切りましたが、ただの慰めだと思っていました。
わたしの聴力が回復することはすぐにはなかったし、耳鳴りも収まりませんでした。
*
理事会と修繕委員会の乖離はもうしばらく続きます。
理事会が10月の次に開催されたのはなんと12月。しかもなぜかその出席者名にはK氏が名を連ねています(なぜだか理由はもう覚えていません)。
その間、大規模修繕委員会は11月8日、11月28日と2回開催しています。
でも話し合っているのは相変わらず、大規模修繕委員会が本来話し合うべきマンションの大規模修繕に関することではなく、区分所有者のお世話のようなことばかり。
この間ずっと、カワベ理事長たちが大規模修繕に関して水を向けても、I氏が「まだいい」「いや、まだいい」と言い続けて埒があきませんでした。
それこそ、なんの手続きも踏んでいないK氏が理事会に堂々と参加することに首を傾げるのですが、ご自分のことは治外法権とでも思っているのか、当たり前のようにして出入りするようになっていました。
そんなある秋の日曜日、区分所有者のある方と1階の玄関でばったり出会いました。
基本的には感じのよい方が多い私のマンションですが、挨拶以外で何か話をすることは誰とも皆無です。
その方とも親しくお話ししたことはありませんでした。
その方が出会ってすぐに、にこにことわたしに挨拶をしてくれました。
「いつもありがとうございます。大変でしょうけど、応援しています。ファンです」
彼女がそう言ってくれたとき、ただ挨拶を返し、自転車を出して出かけようとしていたわたしの目から、大量の涙があふれ出てきてしまいました。
「ああ、ちゃんとわかってくれる人もいたんだ」
ようやくそう思えた瞬間でした。
その方はわたしが泣き出してしまったことに狼狽(うろた)え、しきりに「ごめんなさいね」と何度も謝ってくれました。
謝っていただく必要なんか全然なかったのですが、心がくたくたとなってしまい、わたしは次々と出てくる涙を止めることができませんでした。
ほんとうに、何とかしないといけない。
この方の一声で、わたしは文字通り千人力を得た気分でした。
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