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「俳句四季」4月号の精鋭16句欄に連作「like a ghost」を寄稿しています。この連作は一言でい…
君がため春野の薔薇にならずゐる だつた手が芹を掴んでゐた彼方 手のきのふ雨が霞を流しては…
滲みだす風にすべての耳をひらく 影は花口のかたちを引き寄せて 肉の根を裏返すなら声は虹…
電話その枯れる時間がおほきい目 さざなみの靄が繁れば暮れる手の ○ 潜水は夏に速度の幻…
そよいでは鰭の四月を木と匂ふ 階段に空気を点し蜂の輪は ○ 街だった手紙つづけ…
目に雲のめぐるあなたを野に遊ぶ 風はむらさき肺の水位に根をさして ○ 花弁し…
光沢の二月の奥を雪の窓 風の木のながれて春は飴色に 目には水銀川に実れば鱗族の 玻璃の托卵春を十三年まはり 糸車花の終はりを藍が掃き ◯ 巻きもどる雨はひかりの鱒を出し 風切の手を裏返し春をまた 蜜蜂よ草むらは揺れながら火で 虹は球体もとの魚の晴れとなり ◯ ゆめぎはのけばだつ湖をとほく犀 ◯ 繭は夜をつなぎあはせて花だつた ************* 縦書き版はこちらにあります http://poecri.net/ItemDetails.p
眼のなかへ入れて鶫の絵がひろがる 日々は泡鶉を沐浴に棲ませ 注がれて午は庭木に路をこぼす …
然りながら蚊帳はうつろの牯嶺街 雨に名は流れ青葉に鳥がゐる 夏炉からおよぶ景色を銅の錆 白…
花はほんたう畝に子供があたらしい 街は船出して二月は梅が湧き 春はどこかの貝とけだ…