DX時代のプロダクトマネジメントの多様性

この記事は、QiitaのプロダクトマネジメントAdvent Calendar 2020の12/4の記事です。

こんにちは。cowcamoという不動産仲介サービスのプロダクトマネジメントをしている、@namitoと申します。

「12月だなぁ、Advent Calendarの季節だなぁ」と思ってましたが、購読しているQiitaのプロダクトマネジメントAdvent Calendar 2020が一向に参加者ゼロなので、思い切って一番乗りをしてみようかと思いたち、しかもどうせならnoteで書いてみようということで、つらつらと思いつくままに書きなぐってみました。もし興味がよかったら軽い気持ちで読んでみてください。

DXってなに

皆さん、DXしていますか?流行ってますよね!
というか、DXってなんですか?

DX(デジタルトランスフォーメーション)をwikipediaで調べてみると、サマリの部分にビジネス観点では以下のように定義される旨記述してあります。

「企業がテクノロジー(IT)を利用して事業の業績や対象範囲を根底から変化させる」

どうやら、単に自社にITツールを導入するとDXというわけではなく、ITを使って根底からビジネスを変化させることをDXと呼びそうです。

私が働くcowcamoというサービス

私は現在、株式会社ツクルバという会社に転職し、cowcamoという不動産仲介サービスのプロダクトマネジメントを一年ほど行っています。cowcamoは、関東圏の中古マンションの仲介サービスを行っており、今後一般消費者の方たちがより気軽に中古リノベ物件を選択、購入し、一点物の住まいとして「自分らしく」住んで行く世界、住領域の「借りる」「新築を買う」という2極化で考えがちな世の中に「自分らしく住む」という第3の選択肢として提示していけることを目指しています。

cowcamoは一般消費者(顧客)に対してのタッチポイントをiOSアプリ、Androidアプリ、Webと用意していますが、私たちはそれらのプロダクトのみで利益を得ることができるわけではありません。不動産業界として考えればごく当たり前のことですが、中古不動産を購入するといった場合、プロダクトのタッチポイントから物件に対する申し込みを頂いた後、内見やローンの相談、ときには追加のリノベーションを行い、契約するといった、人(エージェント)によるリアルな業務プロセスが必ず必要になります。また、エージェントの業務を支えるためのバックオフィスのプロダクトも必要となります。リアルとプロダクトを行き来しながら顧客満足へ導き、最終的に利益を得るに至るのです。

これがDXなんじゃないかなという気づき

私はこれまで、一日に100万人以上が利用するブラウザアプリや、顧客に直接デジタルコンテンツを販売するアプリなど、いくつかのプロダクトマネジメントを行ってきましたが、それらプロダクト完結ビジネス型のプロダクトは総じて、多くのアクティブユーザを抱え、そのアクティブユーザに継続利用してもらうことがメインの成長ドライバとなるものでした。(このあたりについては過去にこのような記事を書いています。)

現在のサービスでは、人と人とのプロセスが介在する以上、仮にプロダクトのユーザのみをスケールさせても、エージェントのスケールが追いつかなければ顧客に対面の対応ができなくなってしまい、顧客の失望、ひいては機会損失につながる事態を招きます。「何をプロダクト化し、何をリアルで行うのか。その最大化のポイントはどこか。」常に全体の流れの最適化と適切なレバレッジポイントを考えていく必要があります。

弊社にプロダクトマネージャとして入社したとき、そこに一番カルチャーの違いを感じました。ステークホルダが多く、より難しいからこそかつてない面白みも感じています。リアルとプロダクトの全体最適を行いながらもより成長するポイントを探し、Technologyの力を信じて大きく成長させていく。弊社のプロダクトチームは一般消費者においても、対社内利用者においてもその部分を強く求められています。言葉にこだわっているわけではないですが、こういった特徴を踏まえて、私は自社をDX企業だと認識しています。

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プロダクトマネージャという名前のあいまいさと多様性

前述を整理すると、弊社におけるプロダクトマネージャに求められるコアは以下のようになります。

・何をプロダクト化し、何をリアルで行うのかを整理する力
・事業の成長ポイントの見極め

これって、結局のところ取り扱う対象が事業そのものだと思いませんか?
弊社のような事業でプロダクトマネージャに求められるものってもはやプロダクトに限定されないということです。

プロダクトマネージャの責務を整理するフレームワークとして有名な、プロダクトマネジメントトライアングルの記事の序盤の方にも、プロダクトマネージャの役割も状況の変化に合わせて大幅に迅速に変わっていくというようなことが書いてありますが、弊社のプロダクトマネージャたちもまたそこを理解して自らの役割を変化させて行っています。

私がプロダクトマネジメント部にシニアマネージャとして配属されたとき、もうひとりシニアマネージャがいました。入社当初の私と彼の役割としては、彼がプロダクトマーケティングマネージャで、私が(Techよりの)プロダクトマネージャというような形でした。プロダクトマーケティングマネージャの責務に関してはSmartHRの方の以下の記事が参考になると思います。

弊社の事業はプロダクトマーケティングマネージャの観点で考えても、顧客に対してリアルとプロダクトを横断して一貫した価値を提供する必要があるのは明白で、彼はほどなくして、プロダクトとリアルオペレーションを横断したサービスプランニング・意思決定を行う、コンシューマ領域のサービス責任者となりました。

私の方はというと、プロダクトマネージャとして、安定してプロダクトをユーザに届けるための開発プロセスやチーム体制の整理を行いながら、プロダクトロードマップの検討やプロダクトの優先順位付けを行って来ましたが、現在は、業務オペレーションとプロダクトのシームレスな連携や、事業として注力する価値あるプロダクトの特定の必要性を感じ、ビジネスプロセスの可視化の提案を行い、業務オペレーションとプロダクトの戦略統合に向けて動き始めています。

結局何が言いたいか

個人の主観ですが、インターネットメディア単体での成長余地は鈍化し、これからTechnologyの向き先は、既存事業の革新(つまりDX)に向かっていくと思いますし実際そのような流れを肌で感じています。そのような中で、プロダクトとリアルを横断して開発者やユーザ、ビジネスに橋をかけあう人材の必要性はますます高まっていくと思います。それぞれの企業の事業に合わせて役割の多様性も広がるので名前が追いついていないと思いますが、今一番そういう人材に近しいのがプロダクトマネージャなのかなと。

本当にやりがいに満ちたこのプロダクトマネージャという職種、弊社は今絶賛募集していますので、少しでも面白いと思った方はぜひ応募してみてください!(結局そこか!)


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