人生が変わった。それは過言ではない。

化粧したままの顔で泣いた。その目元を白いシャツの袖で拭いた。もうショック。あまりにショック。しかもよりによってアイシャドウはブラウンだし。

しかしそんなショックがかすむほどに泣きました。胸が熱いままにこの文章を書いています。あー、こんなに苦しいラストが待っているとは。ひと夏の思い出というのはいつだって切ないものなのか。ぬお~~~~苦しいぞ~~~~~。

昨日、長々とツイートをしたのですが(詳しくは@fbnamis_0429hにて)、私が初めて泣いた曲、初めて泣いた作品の脚本家であり作詞作曲を担当されていた方の小説を読破しました。それもまた苦しくて、その苦しみから逃れられずずっと頭の中を悲しみがぐるぐるとしているのですが、その勢いであるアニメ作品を見ました。途中までは見ていて、忙しさや精神状態もあり、断念していた作品です。
「神様になった日」といいます。

初めて泣いた曲、それは一番の宝物~Yui final ver.~
初めて泣いた作品、それはAngel Beats!
共通している事項は既にお気づきかと思うのでここでは省略。

フィクションの世界が大好きなくせに、どこかで一線を画していた私は、没頭していたとして実は没頭できていなかったのかもしれません。自分は現実世界にいて、第三者として楽しんでいる。だから感情移入が上手くいかずに泣けなかった。泣けなかった私は、ドラマやアニメ、漫画でぽろぽろと泣ける人の事が不思議でたまりませんでした。なんで泣けるん?なんて冷めた目で見ていました。
それが初めて泣いたあの日から180度変わりました。あの時不思議に思っていてごめんなさい。心がない人間だったんです許してください。
「俺が結婚してやんよ」、あそこから続く言葉と曲が人生を変えてくれました。それを乗り越えた先にある音無の過去や、天使の秘密などももちろん泣きながら見ました。一度途中で挫折した作品なのに、のめり込んだらそこはすぐに底なし沼でした。涙が枯れるぜ。

そこからヴァイオレット・エヴァ―ガーデン、CLANNAD、フルーツバスケット、Fateシリーズ、書ききれないほど様々な作品で涙を流してきました。そんな私がまた泣いた。またアニメを見ながらずびずび鼻を鳴らして泣いた。鏡で自分の泣きはらした顔を見て、「あ、これは重症だわ」と察しました。しかしそれほどまでに凄かった。

「神様になった日」

ネット上では賛否両論ありましたし、それで見る手が伸びなかったと言っても嘘ではないのですが、ここでは純粋に自分の感想を書いていこうと思います。ネタバレもしますし、本当に純粋に私が感じた事を感じたまま書くので、自衛の策をとってください。

注意書きもしたところで。


実のところ、バッドエンドも覚悟していました。陽太が頑張ったところでひなが彼に振り向く事はもうないのではないか、振り向いたところであの施設の人に止められるのではないか、そんな事を勝手に覚悟していました。だから、「足りない!」と叫んで陽太のもとへ歩みだしたひなの姿は、涙なしでは見られませんでした。
そこにいたから振り払った。目の前に実際にいるからいらなかった。でも、消えてしまっては足りなくなる。そこにいたから振り払ったのに、どうしていなくなるの?
あの思い出の中にいたのも、今過酷な運命と闘っているのも、どちらもひなである事に変わりはない。陽太が好きだと言ったのは、みんなが好きだと言ったのは、機械じゃない。ひな本人だ。何度も叫びたくなった思いを代弁してくれたような気がして、気がつけばぼろぼろと涙があふれていました。あぁぁぁひな~~~~~~!!!!!おかえり~~~~~!!!心からの叫び。
陽太、お前かっこいいなおい。見直した。陽太の真っすぐすぎる性格がきっと良かったのかもしれない、いや、それを優しく見守る事情をちゃんと知っている陽太のお父さん、お母さんのおかげ???心が広いよなぁ、あの母上。
陽太の真っすぐすぎる思いが逆に鋭くて突き刺さってしまう事もあったし、その真っすぐさが笑顔を引き出した事もあった。でもそこにあったのは、確かにひなへの愛だったんだね。

そしてみんなひなの事大好きだね。
分かるぞ、私もひなの事大好きだ。

全てを踏まえた上で、神様になった女の子がずっとやりたかった事(かもしれない)をかき集めたひと夏の思い出を振り返ると、色々な意味で切ないというか、ただの日常回じゃなかったととれて非常に面白いといいますか、どうしても「ひな~~(泣)」という気持ちになってしまうといいますか。あぁっ、言葉にならない!
あの映画も凄く良かった。シスコン大爆発なお兄ちゃんの気持ちが少しだけ分かった気がするほどには良かった。
みんなが優しくて、思い出がキラキラしていて、でもそれって都合のいい物語というわけではきっとなくて、その場にいたのが紛れもなく「佐藤ひな」だったから成立したのだと思います。機械との思い出じゃない。そこにいて、オーディン様と自分を呼び、神々しい名前を持つ陽太含め友人たちに驚きちょっとどころではなく言葉で噛みつき、映画のヒロインまで務めた佐藤ひなという人間として生きていたから。陽太の思いが伝染したのか、こんな思いが芽生えてきて、機械云々の話はもう苦しくて飛ばそうかなと思ったほど。ちゃんと聞きましたけど、苦しかった。胸がきゅうっとするってきっとこういう事。
だからあのひなの台詞はもう……あぁぁぁぁ(無限ループになるので台詞は割愛します)。

あと曲が凄くいいんですよ……いいところでやなぎなぎさんのめちゃくちゃいいお声が響くからもうそれが一層の涙を誘う……。絵も目が離せないほど綺麗だし。目の輝き凄かった。ひなの瞳が宝石のようで、ずっと吸い込まれていました。

はぁ。
純粋に泣いた。

ただ欲を言えば、シリアス多めにしてでも鈴木少年が報われてほしかったなぁ。あの立ち位置でも十分だとは思うけど、あれは辛い。


話は変わって。
夢を見つけて、その為に頑張るって決めた陽太の姿に勇気をもらいました。
あの日の後悔を帳消しにするために奮闘する阿修羅もかっこよかったです。
生きていて後悔をしない日なんてないほど後悔まみれな私ですし、色々あって全て放り投げたくなるような気分で一日を過ごす事もたまにどころではなくあります。何かに当たりたくなる時ももちろん。でも、そんな純粋とは程遠い穢れた心を持った私でも、きらきらとした夢を見て、その為に楽しんだり努力を惜しまなかったりする彼らの姿に感銘を受ける事が出来たんだと思うと、ちょっとだけ嬉しくなりました(どんな感想)。


猫狩り族の長。
読み終わってぐるんぐるんとしていた苦しみが更に深くなり、そして速度を増しております。なんてこった!逆効果!
虚構と、本当に書きたかった事。どちらも味わえば相殺される、なんて甘い考えで挑んではだめだったようです。でも、久しぶりに本気で泣けてすっきりしました。人間捨ててなかった~!


いつだって白い服に汚れが付いたら「あ!(落胆)」と声を上げてしまう私が、そんな事今気にしてられるか!と声を殺して泣きじゃくった作品。奇跡のような出会いの糸を手繰り寄せたらあった。手を伸ばした。そして、泣いた。この出会いだけで深夜でもお腹と心がいっぱいだ。

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