鍼灸の治療の決め方について
鍼灸の手法はさまざまです。
鍼灸治療は東洋医学と思っている人もいるでしょうが、すべてそうではありません。この筋肉が悪いからそれを緩めるためにそこに鍼を刺すというのは、部分を見ているので西洋医学的だといえるでしょう。東洋医学は全体をみます。
肘の外側が痛いという人は大腸が問題があるかもしれません。そこは、手の陽明大腸経という経絡が通っているからです。あるいは肺に問題があるかもしれません。大腸と肺は裏表の関係だからです。あるいは、腎に問題があるかもしれません。大腸と腎は支午関係だからです。
支午という理論を使って、痛む時間がいつも同じ場合、その時間に関係する五臓の働きが悪いかもという診方もあります。例えば、腰痛があり、いつも夜中の4時頃に痛くて目が覚めるという時、肺の問題と考える場合もあります。
すべて可能性ですが、さまざまなアプローチの仕方があります。鍼灸師は、問診・触診・望診・脈診などを使ってその人の治療方針を立てます。それを証(あかし)をたてると呼びます。「腎虚」とか「肝虚」とか「腎虚脾実」とか決めるわけです。そして、その五臓のツボに鍼・お灸をします。そのツボを決めるのにもいささかルールがあります。
それを組み合わせていくので、数えきれない治療法があるわけです。東洋医学は奥が深いです。魅了された一人です。
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