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オンラインレッスンの留意点(心理面)

突然始まったオンラインレッスン

 こんにちは。新型コロナウイルスの休校に伴い、私の英語教室も「より子どもたちが安全安心に英語を学べる環境を」という思いで、オンラインレッスンに切り替えました。元々昨年夏に大人の方々に向けたオンラインセミナーを行なっていたので、オンラインに変えること自体私自身さほど高いハードルではなかったのですが、何よりも今回は子どもたちの学ぶ環境を変えるという心の面でのハードルが高かった様に思います。

 私が子どもたちとの対面レッスンで一番心がけていることは、子どもたちが安心して学べる環境を作ること。その一点です。まず私がしたこと、途中で心がけていることを以下にまとめておきます。オンラインレッスンが今ひとつうまくいかないと思っている先生方、これからオンラインレッスンをするぞ、と思っておられる方々にお役立ていただき、画面を通して学ぶ子どもたちが安心感で満たされますよう、祈りつつ。

オンラインレッスンを始める前に〜協力体制を整える〜

 まず、オンラインレッスンをするにあたって、保護者の方々へのご協力を要請しました。特に今回は子どもたちに多少の無理がかかってきますので、以下のことをお願いしました。

 <オンラインレッスンでのおねがい>

 差し出がましいのですが、オンラインレッスンをするに当たって、お願いをさせてください。
 私自身、一番心がけていることは子どもたちが「英語を嫌いにならない」ことです。無理に発言をさせたりしませんので、どうぞお家の方はレッスン中や終わった後、お子さんに「ダメ出しだけは絶対に絶対にやめてください

 「声が小さかったよ」
 「あの発音で合ってるの?」
 「他の子はもっと出来ていた」
 
 はお子さんが今まで積み上げてきたものを一瞬で壊す力を持つ言葉です。どうぞ、そんな言葉が浮かんだ時はグッと飲み込んでくださいね。どうぞよろしくお願いします。

オンラインレッスン開始〜まずは始めが肝心〜

 オンラインレッスンが始まりました。緊張気味に集まった子どもたちに、「声、出してマイクの確認させてね」とあらかじめ日本語で声をかけてから、"Hello!"と声をかけます。耳に手を当てて「聞こえないかも」という仕草をすると、子どもたちが次々に "Hello!" と言ってくれます。家族の前で英語を話すなんて!と思っている子どもたちを、教室にいる感覚にするための大事な最初の一言です。
 音楽やゲームなどもそうでしょうが、自分の世界に没頭する方法として、イヤホンやヘッドホンなどは使えるでしょう。マイク付きのものを使うことを提案されるのも良いでしょうね。部屋を隔離しない環境のお宅では特に効果的だと思います。

 問いかけはまず、yes / noで答えられる、いわゆるクローズドクエスチョンから始めましょう。私の場合は「英語のスイッチ入れるよ!」とさりげなく目的を言ってから、今から5つ質問をするから1秒でyes/noだけで答えてね、と言います。毎回するので、2回目からはそれを全部英語で説明してもみんな理解します。毎回行うルーティーン的なことは、最初だけハードルを下げて日本語などで説明したら、頃合いを見て全て英語にすることは可能です。驚くほど子どもたちの「英語のカン」が育ちます。
 yes/noだけで答えるんだよ、とハードルを思い切り下げながら、「1秒で」というゲーム要素を入れることで、子どもたちは英語の問いに集中します。
 この場合も全員に向けて質問をして、yes/noがなんとなく聞こえてくればOKです。「聞こえなかったよ、もう一回」は、生徒の性質やwi-fi接続の状況を見て十分慎重になって言いましょう。オンラインの難しいところは、それぞれwi-fi環境が違うということです。うまく質問が届いていないのに、それを伝えにくい環境もありますから、どうぞここは「ちゃんと言う」ことよりも「言葉を発している」または「発しようとしている」ことを評価してください。

言葉を出さない子への対応

 教育は「安心」です。言葉を出さない子には、質問をやはりクローズドに変えてください。What's your favorite food?と聞いてしばらく沈黙が続いたら、ヒントを与えても良いですし、Do you like sushi? などとyes/noで答えられる質問に変えて、首の振りなどで確認してください。
 臨機応変にそれを交えていくことで、安心してレッスンに参加出来ます。
そしてレッスンの最後で良いので、「こうして参加してることに意味がある」ことを全体に向かって伝えてください。日頃英語に触れない日常を送っている中で、オンラインで多少機器の不良やwi-fi環境の不備があったとしても、英語を聞くことが出来た。先生や友達から一回でも"Good!"や"Thank you!"と声がかかった、それだけで大きな意味のある時間なんです。いつでも「そこにいるだけで、学びだよ。いてくれてありがとう」を忘れずに臨みたいものです。

ピンチはチャンス

 こうして突然オンラインでの学びを余儀なくされた私たちですが、こうしてより子どもたちにクリアに伝えよう、また子どもたちの心に寄り添いながら指導しよう、と心がけることは教師にとって大きな力となります。
 子どもたちにとっても、今現在「学校に行き辛い」「居場所がない」と無理をして毎日を過ごしている場合「学びはどこでもできるんだ」という希望に繋がることでしょう。
いつものレッスンを見直すチャンス。先生方にとっては願っても無い良い学びの機会を、どうぞ活かして子どもたちと一緒に成長していきましょう。

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