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日々こつこつ小説 〜わらしべ長者になりたくて 第四話

ゆうは今日も悶々としていた。

『何やってんだろう。』

いつものように駅へ向かうと信号待ちしている人の中に昨日声をかけられた人を見つけた。

片足を引きずるように歩いている。

『あ、そうだったんだ。足を悪くしていてエレベーターを。』

「あのー。」

その人は振り向いた。
「あら、昨日の!あの時はありがとね~。
息子のところに来てて、あの駅あんまり分からなくて。本当に助かったわ〜。」


「いえ!それよりも何かすみませんでした。
乱暴な言い方してしまって。」


「そんなこと!こちらこそごめんなさいね。
急いでいるの分かったんだけど、何だか他の人には声掛け難くて。でもあなたには何だか話しかけられたの。今日もこんな風に、声をかけてくれて。
あなたは、心根がきっと優しいのね。」

「いや、そんな。」

「ありがとう!いってらっしゃい」
そういうと、その人は優しく微笑んで去っていった。

ゆうは、思いもよらない言葉に嬉しいような、複雑な気持ちで駅へ向かった。



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