耐え時

会社が大きな再編を成し遂げてようとするタイミングでは、その再編案がまとまるまでは人・金・モノのリソースの分配も一律的に制限がかかるのだろうか。

戦略なくしてこの時代の生き残りは難しい故、経営執行部隊のアクションの再編を試みる取り組みとしては間違っていない。が、すでに実部隊として現場の前線で事業開発を担当している立場としては、思うように技術・事業開発を拡大できず苦しい。こちらの描くロードマップを実現するには、リソースの強化が必須であるが、この認可が得られにくい。

少し前にこのようなツイートをした。


今、自分の中でロジカルな最適解が見いだせない理由が明確にわかった。自分自身が志願してこのポジションに異動してきた数年前と状況が異なるのだ。状況が違うということはロジックの前提条件が異なるわけなので、とある前提のもとで組み上げたロジックは再構築が必要になるわけである。

今手元にある情報を精査するに、もし私のプロジェクトも一律的に管理されてしまうのであれば、リソース獲得が容易でなくなってしまったため時間軸を見直さなければいけない。しかし、この見直しはすなわち後ろ倒しを意味してしまう。

おそらく、どれだけプロジェクト運営や実績の(自己)評価が高くても特別対応されることは難しい。会社にとっては百あるプロジェクトの1つであり、規模としては小さい。それに公平性の観点に欠けるから。

ではどうするか。R&Dの立場で、テーマの新陳代謝が低下し、市場や顧客に響くテンポ感を失った状態で延命するのは、負け戦に等しい。
よくドキュメンタリードラマで、「○○年間の開発期間を経て、技術者の粘りで花開いた」というストーリーを聞くが、これは花開いたから美化される話で合って、多くのテーマは熱量が失われて消え去る。

ここで自分のすべきことがようやく見えてくる。自身の時間的リソースを投入して介入する対象を変えること。マネジメント方針の大転換である。

これまでは、既存テーマを少しでも上手く成功させるために自分のリソースを各テーマの技術開発に充ててきた。これは、各テーマの技術開発/マーケティング/事業開発が成功した場合、要求どおりのリソース提供がされることが前提となっている。

しかしこの前提が明確に崩れた今、既存のリソースの中で強弱をつけなければならない。すなわち、グループマネジャーの立場でありながら、2つ上のレイヤーの視点を持ち、自身の関与で組み換え可能な範囲でリソース分配を提案し、R&Dにとって冬の時代を乗り切るということである。

もちろん、まずは自分自身のマネジメント領域での取捨選択が求められているのはもちろんなのだが、多くがNPV>>0のテーマだと自負しているので、こちらから動かないといけない。
そして、NPV>>0だと主張しても、実際に事業化するには多くのリソース投入が必要になるので、特にヒトの確保の面で現実的な見立てをしなければいけない。

「耐え時」といいながら、結局動きまくることになりそうだ。

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