星が欲しい。
ある日、私は思い立った。
『そうだ!あの星を掴んでしまおう!!』
私はずっと欲しくてたまらなかったのに、今までそれをしてこなかった。私は全身の力を脚の筋肉に全て注ぎ込むように、思い切り地面を蹴り飛んだ。
思いっきりだ、それは、縄跳びや跳び箱を跳ぶような、そんな柔な力ではない、
全身全霊で、星を掴むために飛んだのだ。
飛んだ、私は飛んでいた。
星に向かい星に照らされ飛ぶ私は、一体どんな顔をしているのだろう。
星は、目の前に。
そして、掴んだ。
決して放さず、そして地面に着地した。
心は浮き足立っていた。
ずっと欲しかった、あの星を、今手にしている。
掴んだまま胸に抱え、ドキドキしていた。
しかし、ふと気付いた。
おかしい、光が無い。
星、眩い光、指の隙間から溢れてもおかしくないはず。
私は、手を開いた。
持っていたのは、ウニだった。
頭は混乱を起こす、何故ウニがここにあるんだ。
私は、飛んだはずなのに。
突然激痛に襲われる。
ウニの棘が、掌いっぱいに刺さっていた。
私は怒り狂い、ウニを地面に叩きつけるように投げた。
ウニがパカっと割れた。
『・・・。』
私はウニを食べた。
脚は折れていた。
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