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52ヘルツのクジラたち

愛情って、与えようと思って与えるものじゃないと思う。失敗したり、傷つけたりしながらも、
いつの間にか溢れて届いているものだと思う。

親からの愛がいちばん嬉しい。
でも愛を持ってぎゅっと抱き締めてくれるのは、親だけじゃない。

与えてもらったひとに、お返しができなくても
また次は自分が誰かに同じようにしてあげることができる。


「ひとというのは最初こそ貰う側やけんど、いずれは与える側にならないかん。」(小説で出てくる言葉)

わたしはずっと、与えられる人になりたかった。

素直な気持ちで、誰かのために。

わたしは、家や学校でもない居場所がいつでもあった。
ただそこに居るだけで、心が落ち着いて
頑張らなくてもいい自分でいることができる。
そんなところがあったから、
"明日も頑張ろう"と前を向けた。

お父さんやお母さん、家族や友だち、今まで出逢ってきた人、本や映画。色んな出会いのおかげで、
自分の事だけじゃなくて
目の前にいるひとや遠くの人へ
"何かしたい。"と
頭だけじゃなくて、心でも
思えるようになってきた。

今まで関わってきた人もまた
誰かから受け取ったものを
わたしに与えてくれたんだろうな、と思う。


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