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映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園

映画クレヨンしんちゃんは義務教育だと思っている。
今年は息子がお友達に誘ってもらったので私もそろそろ卒業かな…。

と、思ったけれど引率という名の大義名分を頂戴して今年も観ました。

結論から先に言わせてもらうと、今年のクレしん…

めっちゃいい!!!

私はご多分に漏れずオトナ帝国が大好きで、ロボとーちゃんが大好きですが、この並びに間違いなく入りました。

予告編だけ見ているといつものしんちゃんなのであまり感じませんが、まずミステリーとしても構成が楽しいです。伏線とミスリードにハマりまくって誰が犯人なのか最後までイマイチわからなかったくらい、ミステリーとしても十分。
ゲストキャラクターの一人一人がしっかりキャラ立ちしているので感情も入りやすいし、わかりやすくミスリードされました。子どもも楽しいし、大人が観ても十分に楽しめるように感じます。

そしてストーリは、泣かせポイントだー!とは思う所もあるけれど、それ以上にぐっときてしまう場面が多いです。

まずは上映開始5分でみさえに涙腺が開く。初めて息子の園バスを見送った日を思い出して共感度MAXです。

(その冒頭5分をYouTubeで公開してくれているのでぜひ見て欲しいです。)

本当は寂しいのに、寂しさを堪えて子供を送り出す気持ちに、胸がギュっとなる。
子どもが手元にいない時間、寂しくないかな?泣いてないかな?と子どもの心配をしているようで、実は親の方がとても寂しい。満喫すればいい自由時間を、結局子どものことで頭をいっぱいにして寂しさで心をいっぱいにするんだよなぁ~。

そして親というものは子どものこととなると、少しのルールは平気で破れちゃう。そんな人も少なくはないと思います。
無くすといけないからと修学旅行のお小遣いを別の場所に少し多く入れたり、どんな時でも困らず幸せで楽しく過ごして欲しい、そんなふうに考えて余計なことをしてしまう気持ち。みさえの行動がわかりすぎてうるっとしてしまいます。(私はどちらかと言えばルールは守りたいし、困ってもそれも経験と思うタイプですが)

それから風間くんとしんちゃんの友情と青春。ここがとにかく泣けます。

いつもふざけてばかりのしんちゃんを少し下に見ているような態度をとる風間くん。

優等生まっしぐらの風間くんからしたらしんちゃんの言動の理由がわからない。その自由気ままな立ち振る舞いにイライラしたり、怒ったり、呆れたり。いつも世話を焼いているような気がする相手。
だけど自分と違うしんちゃんの魅力をしっかり感じている風間くん。

そんな二人がお互いの正義をぶつけあって喧嘩にるところにぐっときてしまう。

風間くんのまっすぐだけれど不器用すぎる愛と、しんちゃんのただただまっすぐな愛のぶつかり合いに涙が止まらなくなる。二人って、真逆のような性格だから、またその友情にぐっときてしまう~(涙腺崩壊)


「永遠の5歳児」の日常系ほのぼのアニメであるクレヨンしんちゃんが、その先を見据えたテーマを今回持ってきたのには制作陣の愛をとても感じるし、チャレンジ性も感じるところです。

天カス学園では宇宙人とか邪悪な思考をもつ謎の大きな敵というものが出てきません。人と人の小さな喧嘩のレベルのようなことや、人と人の気持ちのすれ違いが事件を生んでいきます。

お互いの思いがすれ違ったり、自分の正義と相手の正義がぶつかりあったり。青春時代に感じた色々な気持ちや出来事を思い出して胸がぎゅっとなる。

そんな誰もがきっと経験したことが詰まっているので共感しやすく、入り込みやすくて、親しみやすい作品になっているように感じました。

それからAIと人との対比。これも近い未来にはAIドールがいる世界になるだろうと想像できる今、「人間らしさ」とは何かを感じることができます。

感情を持たないAIと人とが圧倒的に違うのは「心の豊かさ」。どんな感情でも直感で感じる力、学習ではない積み重なる思い、必ずしも正しい方向には向かわなくても感じられること。効率や生産性を度外視した感情が「人間らしさ」で「心の豊かさ」なのかもしれないなと感じます。


クレヨンしんちゃんは当初、青年向け漫画の連載だったそう。当初の対象は大人だったんです。
そんな事を思い出し、今年の映画も大人にこそ見て欲しいなと思いました。


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