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「みんな違ってみんないい」新曲PTDの本気のメッセージ〜BTSって全ての変化のシンボルな気がする・その5

シングル「Butter」がビルボードTop100で6週連続1位を記録し、世界的スーパースターの地位を不動のものにしたBTSが7月9日(金)に新曲を発表しました。
タイトルは“Permission to Dance”。長いのでSNS上では頭文字をとって「PTD」と呼ばれています。
泣きそうなくらい明るくてポップで優しい曲。作詞作曲にグラミー賞4回受賞の英シンガーソングライター、エド・シーランが名を連ねます。ぜひ聴いてみて!

PTD発表から2日。新曲にはBTSの「多様性を受け入れよう」という強い意志・メッセージが込められていることが見えてきました。

歌詞に「エルトン・ジョン」登場の必然

歌が始まって2節目、BTSリーダーのRMが歌う詞に、超セレブレジェンドの名が登場します。

When it all seems like it’s wrong (何もかもがダメになったように思えたときは)
Just sing along to Elton John (ただエルトン・ジョンの歌を一緒に歌うんだ)

英女王からナイトの称号を与えられたサー・エルトン・ジョンその人です。
(↓画像はspotifyからの引用)

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“Your Song” “Candle in the Wind”など美しいバラードで知られるエルトン・ジョンは、1970年代にバイセクシュアルとカミングアウトし、過激な言動で物議をかもしたことは数知れず。今は長年のパートナーだった男性と結婚し、代理母出産による2人の息子を育て、チャリティにも熱心です。
日本では一種の流行語になっている「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と、多様な人を受け入れること)」の、いわば先駆者の1人。

そのレジェンドが今日(7/11)、PTDへの「返歌」をツイートしてARMY(BTSファンの愛称)を沸かせました。

「何もかもイイね!って思えるとき 僕はBTSの歌を一緒に歌うよ」

多様性を地で行く大先輩のお墨付きをもらったBTS。
“Permission to Dance”のMVでは、多様なマイノリティに寄り添う仕掛けがいくつも張り巡らされています。ダイバーシティとインクルージョンの大切さを明るいメロディに乗せて自然に伝えるために、レジェンドとしてのサー・エルトン・ジョンの登場は必然だったと言えます。

「ハッピー、ダンス、ピース」振り付けに手話

サビでメンバーが楽しそうに踊る3つの振り付けが世界共通の手話であることも話題を呼んでいます。

「ハッピー」

「ハッピー」

「ダンス」

「ダンス」

「ピース」

「ピース」

幸せ、踊り、平和。そんな言葉をストレートに表現しても偽善っぽさが微塵も感じられないのは、日頃から彼らの発するメッセージと全く違和感がないからです。まさにBTSのAuthenticity(真実らしさ)。
 ※Authenticityについてはこちらのnoteに書いています

WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長もきょう、BTSの手話ダンスを歓迎するツイートを発信しました。

BTS、ありがとう、新曲ビデオに手話を入れてくれて。
世界には15億人もの難聴者がいます。手話は、彼らが音楽を楽しみ続ける手助けとなります。そして音楽は人生に喜びをもたらすのです。

MVではこんなディテールでも多様性をさりげなくアピール。

さらに、MVには見事なまでに多様な人種と年代がバランスよく登場しています。
これら細かい仕掛けは、次の世界の主役となるZ世代にとって、自然体で共感できる作りだろうと想像しています。(1990年代半ば以降生まれのZ世代は生まれながらにスマホネイティブで情報感度が高く、社会問題に目を向け、ダイバーシティや自分らしさを重視するとされる。)

完全に想像ですが、新曲発表の2日後という、ファンが少し落ち着いた絶妙のタイミングでエルトン・ジョンやWHOがSNSで発信したのも、「多様性が大事」というメッセージをしっかり届けつつ新曲を盛り上げるために、最初から計画していたのかもしれません。

それでもぶれない「ファン=ARMYが一番大事」

計算されていようがいまいが、大切なのは、BTSのメッセージが届き、そのメッセージをファンが本当に信頼し共感しているかどうかです。

実はPTDが発表された7月9日はBTSのファンダム「ARMY」が結成された日。BTSはこの日を「ARMYの誕生日」として毎年大事にしてきました。
今年のARMYの誕生日はPTDの発表にとどまらず、大量のクオリティコンテンツがプレゼントとして洪水のように降り注ぎ、見るたびにドキドキして息つく暇がありません。

ファンとしては「とても大事にされている」と感じ、その感情をSNSで表現し、拡散していきます。そこが全くブレずに一貫しているので、ファンは彼らのメッセージにも素直に耳を傾け、感動するのです。

BTSが"Permission to Dance"に込めた「みんな違ってみんないい」というメッセージは、世界中のファンの心に届き、しばらくの間、勇気と癒しを与え続けるでしょう。


過去のシリーズはこちらです↓
もしよろしければご覧ください。





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