20240211 人とかかわる

職場のあまり話したことのない先輩とご飯に行った。先輩は六つほど年上だが、細く優しい声をしており自分のことを名前で呼ぶためか何となく幼い印象を受ける人だった。しかし話していくうちにその印象は覆された。彼女は自分に厳しくまた人にも厳しいプロ意識を持った人で、協調性には欠けるものの社会規範を尊重して動いているようだった。自らを「感情は大きいけど合理的に考えることでそれを抑えている」と言っていた。彼女は話している間、一瞬も目を逸らさなかった。褐色の目からは気の強さが滲み出ていた。私は彼女が仕事でミスをしてもケロリと、不遜にさえ見える時があることを思い出した。彼女の性格を知った今では納得がいく。
アジア料理を食べながら恋愛の話をした。お互いに遠距離のためそれについての意見を交換した。彼女は私について話す時「冷静」という言葉を何度も使った。「ちゃんとときめきとかある?」と聞かれた。「も〜ちゃんとありますよ」と戯けて答えた。

他者の恋愛話を聞いて私は交際者に強く出ている方なのだと気付かされた。これは相手も私に対して要求や気持ちをよく伝えてくれるからだろう、無茶なお願いをされることに慣れると断ることに躊躇がなくなる。遠距離恋愛において重要なのは連絡の頻度だ。メッセージよりも通話のほうが好ましい。それ以外に繋がる手段がないのだから、連絡頻度が下がれば当たり前に熱も冷める。もしくは不安が募って疑心暗鬼になり関係にひびが入りはじめる。
また、会えないことを責めてはいけない。会いにきてくれないのは愛が足りないせいだろう、だとか私と仕事どっちが大事なんだ、だとか言われると私はムカつく。相手には相手の人生、私には私の人生だ。信じて待っていて欲しい、それができないなら別れるかお前が来い。そうだ、お前が来いよ。人のせいにするな。

遠距離恋愛に慣れすぎたせいで、生活が交わるような恋愛ができるのだろうかと不安になる。私は人と生活を送ることが苦手だ。喧嘩になるとかではなく、単純に気を使いすぎて疲れる。他者といると自分の欲求が霞んで見えなくなる。孤独にならなければ、私は私の人生を生きられない。しかしいつまでも孤独ではいられない。今後の課題だ。

贈り物に、と言ってパックの詰め合わせを買ってきた。全て自分で使う予定だ。レモングラスの香りがするキャンドルとホワイトニングの歯磨き粉、それとふわふわの靴下も買った。帰りにはりんごの紅茶をテイクアウトした。良い休日を過ごした。早くメイクを落としてパックを試そう。


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