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中西敏貴さん地と記憶

先日中西敏貴さんの「地と記憶」を見に名古屋にあるPHOTO GALLERY FLOW NAGOYA へ行ってきました。

オホーツク文化の遺跡などに焦点を当てられ、北海道の一般的なイメージとは異なる写真が飾られていました。
夏頃に京都で展示をされるそうなので写真を見たい方は足を運んでみると良いかもしれません。

中西さんといえば自然風景写真でとても綺麗な写真を撮られていますが、今回はオホーツク文化といった歴史に触れたプロジェクトということもあり、綺麗というよりかはオホーツク文化の歴史と現代の実態を正直に表した写真が印象的でした。

Canonのサイトにあります中西さんのインタビューに「きれいな光で美しい自然写真を撮るだけではなく、僕らは表現者として、その先を目指すべきなのではないか。自分が写真で何を表現したいのか。それを追求するのが、プロのフォトグラファーである存在意義だと感じ始めています。」と記載しれた記事を見つけました。とても素敵な思考ですよね。
このことから追求した先にオホーツク文化があったのではと想像できます。

たまたま在廊されていらしたのでお話を伺ってみると、プロジェクトとして写真をギャラリーオーナーさん達へ見せた際に「中西さんらしさが残っている」と指摘を受けたため、もう一度写真を撮りに行ったそうです。
オホーツク人になりきって写真を撮影するために、オホーツク人が初めて北海道の地に踏み入ったイメージで、海に入っての撮影や、構図をあまり意識されずに撮影されたと聞いて、私はその写真の見方が変わったことに加えて、中西さんのプロフェッショナルさに刺激を受けました。

また、オホーツク文化について丁寧に説明をして下さり、5〜9世紀まで北海道北部の沿岸に暮らしていた海洋狩猟民族の時代で、アイヌ以前の文化であること、日本本州では弥生時代の終わり頃から始まったそうです。
本州が弥生時代になった時でも北海道はまだ縄文時代が続いていたそうで、北海道の北の文化、本州の中の文化、琉球諸島の南の文化と3つに区分されると教えて下さりました。

私はオホーツク文化のことは全く詳しくなく、ここにつらつらと記載することで読んでくださる方が困惑されるかもしれないため、興味のある方はしっかりとした文献やサイトでお調べいただければ幸いです。

写真に対する考え方やコンセプトがしっかりしているからこそ、色んな写真を撮ることができ、またその写真を世に広めることができるんだろうなとプロの凄さを実感した日でした。

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Tokyo Art Beat
日本風景写真家協会

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