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【行ってみた】ヴァロットン 黒と白展

最近、死というテーマに惹かれる。

死への畏れから逃れたいという理由もあるが
人生の新たな刺激として見ている自分に気づく。

ヴァロットン展でも様々な作品やテーマが
あったが、最も心に響いたのは死のゾーンだった

コーチとして、1人の人間として、自己探求する
中で、様々な怖れや葛藤、苦しみの奥底には

自分や誰かの死があることに気づいていたんだ

黒は死の色。
だから、版画にすると死が迫ってくる

一人一人の表情からも、表情がないものからも、
切迫感、途方もない悲しみ、そして、無情が
感じられる。

晩年にかけて、作品に占める黒色の割合が
増えていったとされているヴァロットン。

自分の死を彩ろうとしていたんだろうか。
それとも、戦争という時代の波に
ただ飲まれたんだろうか。はたまた。

版画だからこその、
一見素朴でのっぺりとした人間たちの表情。

感情がリアルにじわっと浮き出ていて
「彫り出されたのは、人間のドラマ」
というのも頷ける

ミュージアムショップで記念にいくつか
気に入った作品のポストカードを買うのが常だが

死の作品は、残念ながら一枚もなかった。
おそらく、商業的に売れない部類だからだろう

他の有名なシリーズも素晴らしかったけど、

木版画の本質に則って、風刺をも操って
死を表現したことが、彼の素晴らしさだと
私は感じた。

写真、とっておいてよかった〜。

#現代アート
#三菱一号館美術館
#ヴァロットン展
#死の表現