通貨の需給

 通貨の需要と供給は様々な要因が影響する。少し難しいけど、ゆっくり読んで欲しい。

 まず、通貨の需要について考えてみよう。

 仮にある国に住んでいるとして、自国通貨でのみ支払うことが義務付けられているものがある。それは税金だ。この事実から、その国に住み、働く人々が存在する限り、自国通貨に対する需要が常に生み出される。つまり、納税する人口が通貨の価値を支える根拠になって、これが通貨需要の基本的な構成要素になる。

 国際貿易では、ある国の輸出が輸入を上回ると、その国の通貨に対する需要が高まる。これは、輸出される商品やサービスが外国通貨で購入され、その収益が国内通貨に交換されるためだ。株式投資においても、外国の株式を購入する際にはその国の通貨が必要となるため、通貨の需要が増加する。逆に、輸入が輸出を上回る場合、通貨の需要は低下する。

 金利水準は通貨の需給に大きく影響する。高い金利を提供する国は、投資家にとって魅力的なので、通貨の需要を高める可能性がある。ただし、政治的リスクや経済的安定性なども通貨の魅力に影響を与えるため、金利だけでは通貨の需要を完全には説明することはできない。

 次に、通貨の供給について考えてみよう。通貨の供給はインフレやデフレを引き起こす可能性がある。インフレは通常、過剰な通貨供給によって引き起こされるが、デフレは限られた通貨供給によって生じることが多い。

 通貨は政府による国債の発行や、中央銀行の金融政策、銀行の信用創造によっても供給される。

 国債とは、政府が資金を調達するために発行する債券だ。これは個人、企業、金融機関などに向けて売られている。国債の償還時には、政府は投資家に対して元本と金利を支払う。つまり政府の借金のようなものだ。政府はこの資金を用いて公共事業などに投資し、金融市場から集めた資金を実体経済に流すので、これは通貨の供給と捉えることが出来る。

 全ての国債が償還されることは珍しくて、国債の償還が行われる際、政府は新たに国債を発行して資金を調達することが一般的だ。国債発行額が増加すると、通貨供給量が増え、通貨の価値は低下する傾向がある。逆に発行額が減少すると、通貨供給量が減り、通貨の価値は上昇する傾向があるんだ。


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