見出し画像

2024年、日向坂46は「試合」に勝つ準備ができてるで

2024年になりました。

日向坂は新年早々、CDTV年越しスペシャルで One choice を披露しましたね。そこでは今年の抱負、

「Let's Be Happy!」

も発表されました。

丹生「あらためて、初心を忘れず、そしてみんなで一緒にハッピーに、という気持ちを込めて、メンバー全員で考えさせて頂きました。これからも、ハッピーオーラをお届けできるよう頑張りますので、今年もよろしくお願いします」

「CDTVライブ!ライブ!年越しスペシャル2023→2024」丹生ちゃんコメント

丹生ちゃんのコメントを添えて発表されたこの抱負は、2024年の日向坂にとって非常に重要で示唆に富むメッセージだなと感じました。


スタンスを確実に取った

以前に以下の記事で、くみてんのライブ終盤のスピーチの変化から、「ハッピーに」というキーワードでグループのスタンスが明確になってきているのではないか?という推測を書きました。

そして今回発表された「Let's Be Happy!」という抱負は、丹生ちゃんのコメントにもあるように誰か一人の言葉ではなく、メンバー全員で考えて決めた言葉であり、グループとしての総意であることが明かされました。上記の記事を書いたときはまだハッキリとはしませんでしたが、今回の抱負をもって、「ハッピーに」をキーワードに、グループとしてのスタンスを取ったのは間違いないといえると思います。これは非常に重要な一歩だと感じました。

過去の抱負との質的な違い

さらに今回発表した抱負は、以前に発表したそれとは質的に違うものでもありました。以下に抱負をまとめると、

  • 「感謝と笑顔を忘れない」(CDTV年越しスペシャル21→22)

  • 「Let's Be Happy!」(CDTV年越しスペシャル23→24)

になります(CDTV年越しスペシャル22→23での抱負は見当たりませんでした。もしかして無かったかも?)。

どう違うかというと、21→22の「感謝と笑顔を忘れない」は、あくまでメッセージの対象範囲はメンバー自身です。実際、「感謝と笑顔を忘れない」と言われれば、見ている側としては「そういう気持ちでやっていくんだな」と思うにとどまると思います。
一方、23→24の「Let's Be Happy!」は、Let's という「誘いの言葉」であることから、そのメッセージの対象範囲はメンバーだけでなく、自ずと「日向坂に接する人すべて」にまで広がるように感じます。「Let's Be Happy!」と言われれば、自然と自分にも「ハッピーになりましょうや!」と誘われているように感じますよね。見ている人までも当事者にする抱負になっています。

実際、松田好花さんがブログで述べたように、メンバーだけでなく接する人をも意識した抱負であることが明かされました。

日向坂46今年のテーマは「Let’s Be Happy」です☀️

今年はより一層メンバー自身もハッピーを感じる年に、関わってくださる皆さんにもハッピーを感じてもらえる年にしたい!という気持ちを込めてメンバーみんなで話し合って決まりました!

Let’s_Be_Happy☀️」より引用

この違いの重要な点は、単に対象範囲の違いということ以上に、「日向坂に接した人へどういう体験を届けたいか」という、日向坂の理念や哲学めいたものまでを表しているところです。
以前に以下の記事で「日向坂の理念や哲学を示してほしいな」ということを書きましたが、それが垣間見える抱負になっていると思います。

そして「Let's」という誘いの言葉からは、メンバーと(広い意味での)観客との間に生まれる「ハッピーになろうね」というコミュニケーションだけでなく、メンバー同士にも「ハッピーになろうね」というコミュニケーションが多く生まれるだろうことも想起させます。「感謝と笑顔を忘れない」だと、極論を言えば個々人が心がけていれば達成できてしまいます。しかし「Let's Be Happy!」となれば、「Let us」なんだから、必然的に「あなたと私」の関係があって初めて成り立ちます。すると「あなたと私」、つまり「メンバーとメンバー」および「メンバーと観客」の間にコミュニケーションが生まれるだろうことが想像されますし、その状態はまさに自分が感じていた「日向坂の三角形」の構造だなぁ、と思いました。

なんだかいろんなことが一つの軸となって繋がっていくような感覚が生まれる、2024年の抱負だったように思います。

2022年当時の結束との質的な違い

とはいえ、「いや、2022年のドーム前もグループはいい感じやって言ってたやん。それとどう違うの?」という声もあると思います。実際、以下の2022年のインタビューなどでその様子が伺えますね。

-お正月にもキャプテンの久美さんからの声掛けがあったとか

美玲 はい。その時は久美さんが話した後に、他のメンバーも思っていることを言い合いました。

久美 私たち、毎年紅白に向けて団結した後、1回分解しちゃう傾向があるんですよ(笑い)。3月に「ひな誕祭」もあるし、紅白でギュッとまとまったものをそのまま持っていきたい! と思ったんです。

-今、グループは

2人 いい感じです(笑い)

「日向坂46佐々木久美&佐々木美玲「3回目のひな誕祭」初の東京ドームへ「テンション解放!」から引用

そんな2022年頭のグループの結束と、2024年頭現在のグループの結束には、以下の違いがあると思います。

  • 2022年:「目的化した目標」である東京ドームによって結束

  • 2024年:掲げた抱負(理念・哲学)によって結束

一般に目標は「終わらせる(達成させる)こと」が狙いになるので、目標を結束の根拠にしてしまうと、狙い通り終わらせた時点で結束の根拠自体も同時に失ってしまいます
一方、理念や哲学というのは「自分たちはどういう存在か」を表す概念であり、「続けること(そうあり続けること)」が狙いになります。なのでそこを結束の根拠とする限り、道中の目標をいくつ達成しても結束の根拠への影響は原則ありません。2022年の日向坂と2024年の日向坂は、ここが大きな違いだと思います。そして当然、状態としては2024年の日向坂のほうが健全だと思います。

もちろん、それでも懸念を感じる人はいると思います。たとえば「抱負」という言葉には1年程度で更新される「揮発性の高いもの」であるイメージがあるので、理念や哲学にまでは昇華されていない短期的な目線ではないか?といったところですね。それは確かにそうだと思うので、もう少し高次の概念として定義して長く運用するほうがいいような気はします。ただ、今回の抱負の設定をきっかけに時間をかけて最終的な理念や哲学にまで昇華させていく、というステップもありかなと個人的には思うので、一旦これで動いてみていろいろ調整して言語化していくのも良い気がしています。
あるいは、松田好花さんの以下のブログを見ると、もしかしたら抱負・テーマとは別に「スローガン」という形で、別の何かを定義している可能性もありそうです(個人的には抱負と同じことを言ってるようには思いますが、違う可能性もあるので)。

メンバーみんなで話し合って、また東京ドームに立ちたいという目標も出来ました。来年のスローガンも決めました。

良いお年を!」から引用

他の点でいうと、メンバーだけじゃなく日向坂チームとしてコンセンサスは取れてるのか?というところもありますね。ここはまだ分からないですが、これからのアウトプットでいろいろと見えてくるかと思います。

あとはそもそも、「そんなに深い意味を持つ抱負かね?ただの今年の抱負であって、それ以上でもそれ以下でもないのでは?大げさに捉えすぎじゃね?」という視点もあると思います。もちろんその可能性もありますが、個人的には楽観的かつ希望観測的に捉えてます。少なくとも、メンバーの範囲の限りでは土台が相当に良くなったようには感じています。

丹生ちゃんと「ハッピー」との運命性

今回、4ヶ月ほどの休養期間を経て戻ってきた丹生ちゃん。丹生ちゃんは抱負を説明する言葉や4回目のひな誕祭でのスピーチなどでも伺えるように、「ハッピーオーラ」という言葉を大事にしてきたように思います。

「それでも私は、私たちは絶対に初心を忘れずに、そして感謝の気持ちを忘れずに世界中のみなさんにハッピーオーラを届けたいです。」

日向坂46、初の横浜スタジアム2daysで7万4000人動員。新曲「One choice」を初披露

最近だと四期生の中で多く使われていた「ハッピーオーラ」ですが、そんな「ハッピーオーラ」という言葉にこだわっていた丹生ちゃんが、復帰一発目の曲披露で真ん中に立ち、今年の抱負を発表する役割を担い、その内容が

「Let's Be Happy!」

というのは、なんだか運命めいたものを感じたりしますね。もちろんたまたまと言ってしまえばそうなんですけどね。

まとめ

グループとしてスタンスを取ったことがほぼ間違いない状況となり、不透明だったいろいろなことが一本の軸で繋がってきてるような感覚があることを述べてみました。

もちろん、「ハッピー」とはなにで、今後どういう活動でどういう表現に落とし込まれていくのかや、「ハッピーオーラ」という言葉をどう整理していくのかなど注目点はいろいろあるとは思います。しかし、そういった具体的なことがようやく見えるし言えるようになってきた事自体がいい傾向に思います。

今後は四期生が先輩と一緒にパフォーマンスする機会もきっと増えるはずですし、この状態で融合していく未来は非常に楽しみですね。本当に、めちゃくちゃ楽しみです。見ていてすごく楽しい。
「勝負の年」と形容した2023年は、試合の前に自分たちとの戦いがあったかもしれませんが、2024年はついに、試合に勝利するための準備が整って出発できたように見えます。日向坂としては良いスタートを切ったのではないでしょうか。いい内容で一年を過ごせる地盤はあると思います。

年初から色々なことが重なり、重苦しい雰囲気もありますが、あらゆることが早く落ち着き、日向坂のハッピーが全国に届くようになることを願ってやみません。

ご意見・ご感想などあればお気軽にコメント等までお寄せください!お待ちしています!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?