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外食をあまりしてこなかった話

今期放送中のアニメ、『異世界食堂2』を観ている。

『異世界食堂2』は、週に一度、異世界と扉がつながる「洋食のねこや」を舞台にした「飯テロアニメ」(公式サイトに記載があったので間違いない)である。

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2017年に放送していた、第一期である『異世界食堂』を観ていたので作品の面白さや飯テロ力の高さは理解しているが、第二期の『異世界食堂2』はさらに飯テロ力を高めてきているように思う。
出てくる料理が魅力的に描かれているのはもちろんなのだけれど、「洋食のねこや」に訪れた異世界の住人が現代料理を食べるシーンは観ているこちらも自然と笑顔になる。おいしい料理をおいしそうに食べる人を見るのはやはり良いものだ。

僕は子供のころ、外食をあまりしなかった。
基本的に家で食事をする機会が多い家庭だった。コンビニもほとんど利用したことがなかったと思う。
「外食は高い」というふんわりとした悪いイメージしか持っていなかった小中学生のころは「うちってケチなとこあるなぁ」と思ったこともあったけれど、僕自身、偏食や人見知りもあったので特に不満を感じていなかった記憶がある。
さすがに全く外食しないというわけではなく、誕生日やお祝い事などの特別な日は外に食べに行くこともあった。けれど回数は一般的な家庭と比べて少なかったと思う。
そんな外食の経験が乏しい少年時代を経た結果(?)、恥ずかしながら大学生になるまで、お店で自分から注文することがうまくできなかった。

僕も歳を重ねるにつれて自然と外食する機会も多くなった。
当たり前だけれど、「家族で外食」以外に「一人で外食」とか「友達と外食」とかのシチュエーションが増えていったのだ。(早い人は中高生でもガンガン行くと思うけど、僕は少し離れた学校に通っていたのでそんなに行けなかった)
家を出て一人暮らしする際には上京もしたので、少し電車に乗ればTVに出ているような有名店に行くことができる環境になったのもある。

そこで外食のありがたみを知った。
今まで接する機会が少なかった分、その美味しさ・便利さを感じる振れ幅が大きかったと思う。
それまではあまり魅力に感じなかったラーメンも、大学の友人に連れて行ってもらったお店が美味しすぎてその美味しさに目覚め、今では自分に合うラーメンを求めて初めて入るお店も一人で行くことができるようになった。
もちろん、両親が作ってくれた食事は美味しいし、自分で作ることも大切だけれども、対価を払って素材や技術(時間効率も)にこだわった料理を提供してくれる「外食の良さ」を知ることができた。

手作りの食事をメインに食べさせてくれた両親に感謝しながら、今は同じくらい外食で頂く料理の良さを理解している。
外食と自炊。どちらが良いとか悪いとか、それは個人の状況にも寄るだろうが、僕の場合は両方の良さを知った、いや、知ってしまった。
その結果、ただでさえお店で食べたいものが多くて決めきれないのに自分で作るかどうかまで悩むことになるのである。幸せな悩みではあると思っているけどね。
漫画『フラジャイル』で出会ったこの円さんのセリフほど、お店のメニューを見ているときの僕の頭の中を表したものはあるまい。

500円あったら買える卵3パック。つまり30個…!
でも…!自分じゃないっ他人が焼いた卵焼きをっ。
ありがたがって食べたぁい…!食べたぁい…
―― 『フラジャイル』 円遼

前回エッセイ風記事

気になるお店も作品も、興味を持ったらすぐに触れていかないと。
「今度にしよう」と思ってたら、いつの間にか閉店してたりサブスクから無くなってたりするからね……。

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