見出し画像

『最近の若者たち効果』

若い世代が上の世代から「最近の若者は……」などといわれることって多いのではないでしょうか。
このことについて自分が聞いた
『最近の若者たち効果』という心理的効果について紹介します。

まず人々は古くから若者批判を行ってきたといわれており、カリフォルニア大学の心理学者であるJhonProtzko氏は、「人間は少なくとも2600年間にわたり『最近の若者たち』に対する苦情を言ってきました」と述べています。そこでなぜ、客観的に若者世代が上の世代に劣っている事を客観的に表すしょうこがあるにもかかわらず、大人たちは「最近の若者はダメだ」と思い込んでしまうしまうのかについて、カリフォルニア大学の研究チームが実験を行ったところ「大人たちには下の世代が劣っていると考えやすい心理的効果が存在する」ことが明らかになりました。

実験チームは上の世代が若者世代を批判しがちな現象を調べるため、まずは2つの実験を行いました。まず1つ目の実験では、1824人のアメリカ人を対象にして、「最近の若者が上の世代に対して礼儀正しいと思うか、それとも無礼だと思うか」を調査しました。そして、2つ目の実験では「最近の若者が上の世代より賢いか、賢くないか」が尋ねられました。その結果、2つの実験全てにおいて、「参加者が自身の特性を高く評価すればするほど、若者のことを低く評価する」という傾向が明らかになりました。つまり、「自分が年長者を尊重している」と考えている人は若者を無礼だと思い、「自分が賢い」と思う人は若者を愚かだと思いうことが実験の結果から判明したのです。

さらに上の世代が若者世代に持つバイアスについて調べるため、Protzko氏は加えて2つ実験を行いました。3つ目の実験では「今現在の自分はどれほど読書を楽しんでいるか」「子ども時代はどれほど読書を楽しんでいたか」「子ども時代、周囲の子どもたちのうち何人ほどが読書を楽しんでいたか」を尋ねました。すると、自分自身が本をたくさん読んでいて、子ども時代に読書を楽しんでいたと考えている人々は、他の参加者よりも「子ども時代には多くの子どもたちが読書を楽しんでいた」と答える傾向がみられました。この結果についてProtzko氏らは、人々が子ども時代を「誤って記憶している」ことに起因すると主張します。子どものころから読書が好きだった参加者は、周囲の子どもたちが読書をしていたことを記憶している可能性が高く、当時の読書の楽しさについてバイアスがかかっている可能性があるそうです。

4つ目の実験では、1500人の新しい参加者に対して読解力テストを実施し、参加者にフィードバックを与えました。しかし、テスト結果のフィードバックは研究チームが操作したもので、実際のテスト結果とは関係なく、ランダムに「あなたは全体の上位15%でした」もしくは「あなたは全体の下位15%でした」という結果が伝えられました。その後、4つ目の研究と同様の質問を行ったところ、読解力が低いと告げられた参加者は、「若者世代は読書嫌いである」という偏見が少なく、子ども時代に読書好きだった友人を思い出しにくい傾向がみられたそうです。つまり、現在の自分自身に対する評価が、若者世代への評価や過去の記憶に影響することが確認されたというわけです。

4つの実験の結果から、Protzko氏は「心理的・精神的トリックがあるため、各世代は次の世代が劣っているように感じられます」と主張。研究チームはこの心理的効果を、「the kids these days effect(最近の若者たち効果)」と名付けています。「あなたは現在の自分の状態を、自身の記憶に反映してしまいます。そのため、若者世代の『衰退』が私たちにとって客観的なものに思えてしまうのです」と、Protzko氏は述べたそうです。

このような心理的効果があると分かった今、今後気を付けて下の世代の人間と接していくべきだなって感じました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?