日本の外交政策をめっちゃ大まかにまとめてみる

テレビやネットでは、「日本はアメリカの犬だ!」みたいな意見をよく見かけます。多分日常でもそう思ってる人は少なくないだろうし、実際完全に間違ってるとは言えません。なぜなら今の日本は日米同盟なしではとても存続していけない立場に立っているからです。中国、北朝鮮、ロシアなど、周りには日本と関係が悪い国がいくつもあるのに、少なからず私たちが平和ボケしていられるのはアメリカのサポートに依るところが大きいでしょう。

しかし、だからといってアメリカの犬というのは極端です。日本は日本の方針のもと外交政策を行っており、アメリカとは互いに大事なパートナーとして様々な協力を行っています。そこで今回は、日本の外交政策をなるべく簡潔にまとめていきます。

日本の外交政策を説明する上で欠かせないキーワードの1つが「自由で開かれたインド太平洋」戦略です。英語ではFree and Open Indo-Pacificといい、頭文字を取ってFOIP(フォーイップ)なんて呼んだりしています。ちなみにアメリカのヒップホップグループM.O.P.とは無関係です。

さて、FOIPを短くまとめると「太平洋からインド洋に渡る地域の安定と繁栄を実現すること」です。

インド太平洋地域

日本は島国なので、ヨーロッパのように陸続きの国から攻撃されることがありません。そのため海洋秩序の安定が何よりも重要です。例えば日本は石油の殆どを中東から輸入していますが、その石油は船で運ばれてきます。その途中で海賊が暴れ回っていたとしたら船がハイジャックされる危険も出てくるため、日本の経済はとんでもないことになってしまいますね。

FOIPを実現するためには、アメリカは勿論、様々な国との協力が必要です。例えば2019年、日本とASEANは「インド太平洋に関するアウトルック(AOIP)」を公表し、ビジョンの共有を行っています。しかし、日米、日ASEANの仲が良くても、アメリカとASEANの仲が良いとは限りません。実際ウクライナの一件があってもアジアではロシアとの関係を維持する国が多く、ベトナムやラオスは国連総会の対ロシア非難決議を棄権しています。

余談ですが、友達のインドネシア人もロシアの件に関して「アメリカも過去に同じようなことをしてきたやん、ロシアも悪いけどアメリカも悪いよ」と言っていました。どうやら、僕が思っている以上に東南アジアの人達はアメリカを信用していないのかもしれないと感じました。

さて、ここで日本の出番です。つまり、欧米とアジアを繋ぐことこそが日本の役割だということです。日常に例えると「クラスのみんなと仲が良くて、誰かが喧嘩したときはうまく仲裁してくれるアイツ」といったところでしょうか。こういう人(国)のことを英語ではFacilitator(ファシリテーター)と言います。

ちなみにビジネスの世界でもファシリテーターで通じるみたいですね。正確な定義は「中立的な立ち位置から意見の対立を調整したり、効率的かつスムーズな会議を実現するための進行役」です。

以下まとめです。
日本は「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想のもと、様々な国と協力関係を築いています。そのネットワークを活かし、欧米とアジアを繋ぐファシリテーターという立ち位置こそ、これからの日本に求められてくる役割だと言えるのではないでしょうか。


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