沖縄基地問題について

昨日(15日)で、沖縄が返還されたから50周年が経ちました。

様々な新聞でその特集がされていますが、ここではなぜ沖縄基地問題について簡単に説明していきたいと思います。

まずは簡単に歴史を振り返ると、第二次世界大戦後、フランシスコ条約の締結により沖縄はアメリカの施政権下に置かれました。返還されるまでは通貨は円ではなくドルでした、本土とは違って完全にアメリカの物だったんですね。
その後当時の首相佐藤栄作が「核抜き、本土並み」で交渉にあたり、1972年に返還が実現されました。

核は置かれなかったものの、依然として大量のアメリカ軍基地が存在しました。今は当時より少なくなったものの、在日米軍の基地の約70%が沖縄にあるそうです。ちなみに日本全体に占める沖縄の土地の割合は約0.6%とされています。この数字だけ見ても明らかに大きな負担になっていることがわかるでしょう。ましてアメリカ軍の兵士が女性を強姦したりすれば(沖縄米兵少女暴行事件)沖縄の人達があれだけ怒るのも至極当然のことだと思います。

さて、そもそもなんでこんなに沖縄にアメリカ基地が集結しているのでしょうか?それはズバリ、地理的優位性です。

iPhoneのマップで見てみればわかりますが、沖縄は南西諸島のど真ん中にあります。ここに基地を置くことで、万が一不測の事態が起きた場合、すばやく対応することができます。しかも、今は米中の二極対立の時代で、その勝敗を握るキーの1つが台湾であり、近いうちに台湾有事が起きると言っている専門家もたくさんいます。そのため、台湾とめちゃめちゃ近い沖縄は非常に重要な位置にあるということになります。ウクライナの次は台湾だ、なんて声もあるため、沖縄の地理的優位性はますます高まっていくでしょう。

以上を踏まえれば、沖縄に基地がある程度集中してしまうのは仕方がないことだと思います。台湾で戦争が起きれば日本も巻き込まれざるを得ないでしょう。そうなった場合アメリカの助けが必要です。加えて、日本があまりにも消極的過ぎるとアメリカからの信頼が揺らぎ、いざとなった時十分な支援が得られない可能性もあります。そんなことになったらだいぶヤバいです、日本の防衛はアメリカからのサポートが前提となっていると言っても過言ではないので。現在の情勢を踏まえて沖縄の負担を極力減らしていく必要があると思います。

そのためには具体的にどうすればよいかをみんなで建設的に議論していこう、ということになります。個人的にはロシアが怖いので北の方に一部移転したらいいと思います。



余談ですが、最近建設的な議論ってなんだろう、と思う時がしばしばあります。パッションはもちろん大事だけど、議論するときにはロジカルなモノの見方が必要です。元外交官で大使を務めていた岡崎久彦さんは、「日本人は過去の経緯でできあがっているものを改善する能力は世界一なのだが、肌で感じないとなかなか理解できない国民のため、何もないところに論理的な整合性のある構造物を建てようとすると、はたと困惑するところがある」と述べていて、たしかにそうだと思いました。議論する時は最初に感情的に出した結論をベースに理屈を作っていく人が多いように感じますが、これって議論になっているんでしょうか?自分には中身のない、まるでトラップビート上のフリースタイルバトルのように感じます。

沖縄基地のような複数の問題が重なり合っている構造的な問題を解決するためには、多角的に考える必要があります。自分がそのような視点を持てているとは思いませんが、少しでもそれに近づけるよう、コツコツ頑張っていきたいです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?