[SS第3話] 百合ナース! 〜ジェラシー〜 [サロン連載]
「22でしょ? そりゃ前のヒトくらいいるよ」
レイナが呆れた声を出した。
あれから不眠症気味のあたし。
トボトボ歩くあたしの手を引いてくれるレイナ。
いつもいつもすいませんねぇ……
「今日は病院の日?」
「うん」
「じゃあね。また入院しないでよ」
「おー……」
自信ない。
いつか優花さんにジュースをおごってもらった外来のソファに腰かけて、名前を呼ばれるのを待ちながら、あたしはため息をつく。
あのビデオがいけない。
18歳のあどけない優花さんが、知らないおねーさんに微笑みかける。
『先生、好きだよ』なんて言っちゃってさ。
あのネーさんも、『優花』なんて呼び捨てにしちゃってさ。ううっ。
なんだよ、あんなの、どこがいいんだ。
まあ、……美人だったけど。
でもでも、「先生」ってなんだ?
まさかまさか、教師と生徒の禁断の愛ってかーーーー!?
ブツブツ言いながらあたしは顔を上げて、「うわっ!」と叫んだ。
そいつがその声に気がついて、缶コーヒーを飲みかけのまま「ん?」と振り向いた。
あ、あのビデオのおねーさん!!!
ただし、Tシャツじゃなく、白衣を着てる。
そして、胸ポケットには無造作に聴診器がつっこまれていて……
い、医者かよっ!!!!!
たちまち、胃がキーンときた。
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