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南部くまこ
2019年10月30日 22:42
2019年10月23日 10:13
「絶対やってるよ、あの二人」レイナは断言した。放課後に久しぶりに遊びに来たレイナの部屋。あたしは正直言ってへこんでいた。「あの人、嘘つくと鼻の上に皺が寄るの。だから、すぐわかる」「……思い込みはよくないよ」「何もないよって言った時、思いっきり皺、よってた」「……信じようよ、レイナ」優花さんと先輩は、先輩が回してる二丁目のクラブで知り合ったってことだった。……それ
2019年10月16日 12:06
週末、レイナから「ごはん食べよー」と電話が入った。やたら、ご機嫌な声。どうやらカノジョさんと一緒にいるらしい。レイナのカノジョはうちの学校の先輩で、いまはセミプロのミュージシャン……っていうんだろうか。ちょっとしたハコでライブをしたり、二丁目のクラブでDJなんかもやっていて、地元ではわりと人気があった。気さくな人だけど、正直いって、あたしにはかなりチャラく見える先輩だ。音楽性と
2019年10月11日 02:31
2019年10月9日 13:43
「22でしょ? そりゃ前のヒトくらいいるよ」レイナが呆れた声を出した。あれから不眠症気味のあたし。トボトボ歩くあたしの手を引いてくれるレイナ。いつもいつもすいませんねぇ……「今日は病院の日?」「うん」「じゃあね。また入院しないでよ」「おー……」自信ない。いつか優花さんにジュースをおごってもらった外来のソファに腰かけて、名前を呼ばれるのを待ちながら、あたしはた
2019年10月2日 15:42
彼女の部屋にはプレステがない。土曜の昼なんて、テレビもロクなのやってない。本とか好きに読んでいいよと言われても、看護の専門書か、ぜんぜん趣味の違うファッション誌、それかあたしが苦手な恋愛小説ばっかで、いまいち手を伸ばす気になれず困ってしまった。約束の時間が過ぎても、優花さんは帰ってこない。鍵は置いてってくれたし、自由に出かけていいんだけど、あたしはなんだか部屋から動けなくて閉じこめ