消えたい死にたいでも痛いのは嫌だ

なんだこのタイトルは。
だが、私にはたびたび訪れる感覚なのだ。

つい先日も、そいつはやってきたばかり。
これが病気ってやつなんだろう。
一応、記しておくと私は15年以上、服薬治療などを受けている。
しかし、そいつが訪れると毎度のことながらうろたえる。よくなってきているからこそ、普段は希死念慮というやつが遠くにいてくれているのだ。子どもの頃からよく知っている親戚のひとり、くらいの距離感。これを読んでいるあなたの中にも確実に存在しているやつ。

大抵の場合は生理前にくるのだが、楽しかった後とかにも突然やってくる。
ストレスというのは、嫌な出来事だけでなく嬉しい出来事でも生み出されるらしい。
変化が良くない、ということなのだろうけども生きている限り永遠不変なんて無理。
ということで、当然ながらそいつはやってくる。
で、毎度うろたえる。

どの程度うろたえるのかというと、すっぴん寝間着の状態の時に連絡もなく知り合いが家に訪ねて来た、ぐらいのうろたえよう。えっどうしよう、と思いませんか?

そこで、とりあえず私は頓服薬を飲む。
けれどもお薬はそんなに急に効きません。
なので地を這うような思いで、横になりながら効いてくるまでの30分だか一時間だかをジッと待つ。
死にたい気持ちを溶かすようにジッと。
実際、胸の底あたりにひんやりしたような感覚もある。
自分は無価値、だから死ぬべき。というような言葉が頭を支配する。
心がズタボロで何も受け取れなくなってしまう。それはそれはツラい時間だ。

とりあえず、手元にあるスマホで「消えたい」とか「死にたい」とか検索してみる。
すると、こころの健康相談統一ダイヤルというのがトップに出る。電話なんかする勇気はない。
さまざまなサイトが私の裾をつかんで引き留めようとしてくるが、どれもピンとこない。
ただ、死にたい人は多いんだなという情報だけが頭に残る。そりゃそうだよね。
だからといって、そいつは簡単には去ってくれない。
あー、消えたい死にたい消えたい死にたい……。

だけど、そいつに今にも消え去られそうな小さい私が「でも痛いのは嫌だ」と冷静に言い放つ。
オーバードーズという選択肢に「お金がもったいない」と言う。

グッジョブ、痛みに弱くてセコい私。

事実、私の服用しているお薬は高いのだ。
消え去りそうになりながらもゼロにはならない冷静な私がいてくれるお陰で、今日も生きている。

ありがとう、私。

いいなと思ったら応援しよう!