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オフィスキラー

オレは心底会社が嫌いだ。皆が不平不満を抱えながら、建前をツラツラと述べて

「仕方ないよね」

で済まそうと必死になる世界。と言っても、世の中はそういう風に回っているのだから仕方ない。けれど、そんな世界に違和感なく”混じろう”と必死になる人たちを見たくない。だからオレは出社せず、ほぼ自宅で仕事をしている。

先日、半期を迎えた弊社では”ハーフタイムレビュー”と称して、シャッチョウがエラソーに話す会議が催された。

その内容は「俺様の方針のおかげで大体巧くいっている」である。

相対評価で給料が爆下がりした優秀なエンジニアの離職者が増えているのだが、それは人材が流動的になっていいことだそうだ。中途採用者が半数以上やめても、「単にマッチングしなかった」だけだそうだ。
なので、俺様が勝手に選んだ技術顧問を入れたから安心だそうだ。あと役職陣と餃子食って飲みながら話したらコミュニケーションもバッチリなんだと。人事もキー○○スと云々したから良くなるんだって。で、

「これからも俺様の方針で巧くいくだろう。そしてラグビー最高」

なんだってさ。シャッチョウはよっぽど自信があるのか、ハーフタイムレビューとやらのアンケートを取る。しかも記名で。記名なら批判されないとでも思っているのか。

毎度同じような資料、お前の趣味のラグビーの話、うっぜえキー○○ス話、社員の生活を考えない給料制度、それ故の人材流出……。

オレにとって、このシャッチョウは相対評価でDである。ちなみにウチはD評定を2回受けると降格する。オレは、これをまんまアンケートに書いた。

以前、人事の企画「会社に対して思うことを社員に語ってもらう」で、後輩のインタビューを受けたことがある。

「オレを選んでくれたのは嬉しいけど、なんで?」

と聞いたら

「なんでも素直に話してくれそうだから」

なるほど!正しいぞ!後輩!さすが『真・事故物件』の舞台挨拶の後、佐々木監督たちと一緒に飲んでくれた社員は気合いが違う。

「思っていること?そうね。まず、社長を変えるしかないね。あと給料上げないとオレみたいなアホしか残らないんじゃないかな?」

後輩は笑っていた。インタビューが使われたかどうかは知らない。

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