私の猫が死んだら


私の猫が死んだら
彼女は尻尾を立てて天国までの階段を昇るだろう
思い出一つ振り返らずに
神様の膝を目指すだろう

私の猫が死んだら
私は物言わぬ彼女を撫でながら子供のように泣くだろう
彼女にもっと良い思い出を作ってやれたらよかったと
自分を責めて泣きわめく

私の猫が死んだら
彼女はもうお腹も空かないし喉も渇かない
天国のどこかで眠って遊んでまた眠り
お気に入りのおもちゃを見つけるだろう

私の猫が死んだら
私は彼女の写真を窓辺に置いて
3年経っても眺めるたびに涙をこぼす
彼女がもうどこにもいないことを知るたびに さみしくってたまらなくなる

私の猫が死んだら
彼女は神様にくすぐられて喜ぶだろう
たくさんの遊び相手と楽しく暮らして
悪いことはなんにも起こらない

私の猫が死んだら
私は彼女の大好きな紙箱の前で立ちすくむ
段ボールのそれを 抱きしめて嗚咽するだろう

私の猫が死んだら
目に見えぬ温かい風に
おまえの息を感じるために外に出よう
私の庭に現れる生き物たちにおまえの名前を尋ねて 供える花の名前を覚えよう
おまえが何に生まれ変わっても見つけられるように 身の回りの生命をなお一層慈しもう

そうして
洗い流せぬ悲しみと一緒に
おまえが教えてくれたものをみんな覚えて ただ一生懸命に生きよう
おまえのいる天国に私も行けるよう
心静かに今日を生きて老いていこう

そうしていつか会えたら
また家族になろうよ

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