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手品のユニバーサルデザインについて


最近、趣味で公共事業に関わる勉強をしていて、ふと「手品のユニバーサルデザインってなに?」という疑問が浮かんできた。

そもそも手品にユニバーサルデザインなんてものが存在するのか?

もし意図的にそんなことを考えて商品作りをしている人がいるのなら、ぜひ話を伺ってみたい。

演技を作る上で、どの国にハマりたいかを考えたことはあるが、2000年のFISMリスボン大会において「森の妖精」というテーマでゼネラルマジック部門2位のゆみさんにお話を伺ったとき、「私ヨーロッパで全然ウケなかったことがあるの。初めはなぜかかわからなかったのだけれど、後々現地のマジシャンに聞いたところによると中世のヨーロッパでは緑は不吉な色だったと聞いて納得したわ。」とおしゃっていた。

あんなに清らかで素敵な演技なのにハマらない国もあるのか……。

「全ての人に」ってほんとに難しんだな……と感じたことがある。

それはさておき、今回は手品のユニバーサルデザインについて考えてみる。

まずは、ユニバーサルデザインとはなんぞや?ということでご紹介。


ユニバーサルデザインは、「あらゆる人に利用しやすいデザインである」という視点を軸に、下記7原則から構成されています。


〈ユニバーサルデザインの7原則〉


1.誰にでも使えること。(Equitable Use)

2.使う上で柔軟性があること。(Flexibility in Use)

3.使い方が簡単で、直感的にわかること。(Simple and Intuitive Use)

4.必要な情報がすぐにわかること。(Perceptible Information)

5.簡単なミスが危険に繋がらないこと。(Tolerance for Error)

6.身体的な負担が少ないこと。(Low Physical Effort)

7.アクセス・利用しやすい十分なスペースが確保されていること。(Size and Space for Approach and Use)

参照 https://projects.ncsu.edu/design/cud/about_ud/udprinciplestext.htm


はーーーー、なるほどな。おもしろい。

手品においても同じことが言えるんじゃないかなぁ。


1.誰にでも使えること。(Equitable Use)


これは手品の道具にもよると思うんだけど、基本的には誰にでも使えるはず。

ただ使うだけなら。

手品の仕掛けって単純なものが多いし、そもそも複雑な道具(商品)ってあるのかな?

なかなか思いつかないや……。

結局、手品ってその道具を使ってどう表現するかで不思議さが変わると思うのよね。

実際タネを知ったときに「な〜んだ、こんな単純な仕掛けだったのか!」と思ったことがあるのは私だけじゃないはず!!!

誰にでも使えるからこそ、見せ方勝負!みたいなところがあると思うの。

はい、その次!!!


2.使う上で柔軟性があること。(Flexibility in Use)


なんとなくこれは道具に柔軟性があるかどうかってことよりも、手品師の手腕にかかっている気がする。

その道具を手品師がいかに柔軟に使いこなせるか、って問題な気がする。

柔軟な道具が存在するっていうよりも、手品師がその道具に対して柔軟な考え方ができるかって感じだな。

 と、適当に考えたけど、その道具が手品師にそう思わせることが出来るってことは、もう既にその道具は「使う上で柔軟性がある」ってことなんじゃない?

チープな手品パラドックスじゃん。もうわかりません。次にいきます。


3.使い方が簡単で、直感的にわかること。(Simple and Intuitive Use)


これに関しては、手品はユニバーサルデザインと相容れない気がする。

手品にとって、道具の使い方が簡単にわかってしまっては、なんの不思議さもない。

「ハハ、どうせああなってんだろ!」「ほらな!」みたいなことになってしまっては興醒めである。

 と思ったけど、「ハハ、どうせああなってんだろ!」と思うことはよくある。

むしろ「ハハ、どうせああなってんだろ!」を覆されたときの方が手品に面白みを感じる。

「使い方が単純で、直感的にわかる」道具だからこそ、「どうせああなってんだろ!」という単純な思考を構築される。

その思考自体が手品師の手中だとも気がつかずに。

そして突然、自分の信じていたものを見事に打ち砕くだかれる。

あぁ!!!あの自分信じていたものが打ち砕かれる絶望!!!

脆弱な思考!!!

たまんねぇなあ!!!!

全て手品師の手のひらの上……!!!

 そう、だからもしかしたら手品の道具は「使い方が簡単で、直感的にわかる」ように作られているのかもしれない。

初めに「手品にとって、道具の使い方が簡単にわかってしまっては、なんの不思議さもない」と書いたけれど実はそうではなくて、誰が見ても使い方がわかる単純な道具で不思議なことが起こるから手品なんだね。


4.必要な情報がすぐにわかること。(Perceptible Information)


へい!これは意味がわからない!

おそらくピクトグラムみたいなことなんだろうけど……。

そうだなぁ……。

演者のペルソナがすぐにわかることとか?そういう感じ?

でもそれって道具とは関係ないじゃんね。

え、関係あるのかな?

最初に線引きしなかったから、途中から手品の道具のことと手品自体のことがごっちゃになってるな。

まぁいっか。表裏一体だし。

てか、手品にとって必要な情報がすぐにわかるってなに?


5.簡単なミスが危険に繋がらないこと。(Tolerance for Error)


これは〜〜〜〜〜〜。なんだろ。

セルフワーキング系のマジック?

あ、イリュージョン関係かな?

本当に腕が切れちゃったとか、剣が刺さっちゃたとか、脱出できなくて死んじゃったとかあるもんね。

ちょっとのミスが危険どころの話じゃないね。死と隣り合わせ。

もっと他のことも言えそうだけどうまく言えないや。

数学の手品とかもそうなのかなー。勉強不足でわからないけど。

くそー、悔しい。語りたいのに知識ないから言えない。

あーーーーーー。もう。はぁ。

はい、次!!!


6.身体的な負担が少ないこと。(Low Physical Effort)


これは重要なことだな。

演技を見てても、演者ストレスがかかっている状態ってなんかみにくいもんな。

心的ストレス減らすためにも身的ストレスは少なくした方がいいね!

まぁ演者ストレスなんて練習してるうちに最適解に近いものを発見して、だんだんなくなっていくんだと思うけど。

………偉っそうに言えねぇや。恥ずかしい。何様だよ全く。


7.アクセス・利用しやすい十分なスペースが確保されていること。(Size and Space for Approach and Use)


これは手品界の課題だと思うんだ〜〜〜。

手品資料へのアクセスもそうだし、手品へのアクセスも手品師へのアクセスもそうだねー。

これを整えるのに私の人生の四半世紀は捧げる!!!

勉強する!!!

自分だけではどうにも出来ない部分多すぎるからヒト同士を繋げる!!!

大学で図書館学やって思った。

他館・他機関との連携まじめっちゃだいじ!!!

新しい発想も生まれるし、何せ早い。

餅は餅屋にって感じ!


だから将来は、私について来いよって言えるような人になりたい。

この人に相談すればなんか解決してくれそうと思わせたい。

気軽に相談できる人。

手品師のお医者さん。手品師の相談屋さん?

わかんないけど、暮らしの相談室みたいなのやりたい。

みんな困ってんだよ、まじで。

正直、何に困ってるのかもわかんなかったり、何ができるのかもわかんなかったりする。

選択肢に何があるのか、どんな選択肢が存在しているのか。

それすらも見えないんだ。

他人事を自分事に置き換えるだけでちょっと見える世界が変わると思う。



手品のユニバーサルデザインについて 完  

2021年5月20日(木)雨 岡村真衣



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