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ガリバー "法螺吹き" 男爵の冒険ⅩⅤ

「シダー氏は言葉を選びながら話しはじめました。わかりやすい言葉で話そうとしていることもあるのでしょうが、それ以上に『どこまでを異邦人に話したものか』と考えているように思われました」

「かの人の話によりますと、この『森に覆われた大地』では人びとは大木の中に村を作り、暮らしているそうです。私たちが居る村は北の辺境にあたり、南方にはより大きな集落がたくさんあるというのです。特に王が住まう都ではいくつもの大木が連なり、政庁や王城を成しているとシダー氏が話しました」

「わたくしははじめて森に分け入った時に出会った、根の怪物と木の怪物が気になっておりましたので、ノートに描いていたスケッチを見せながら、シダー氏に尋ねました」

「シダー氏はスケッチを見ると少し笑った後、わたくしの下手な絵を指さして、根の怪物を『ツチグモ』、木の怪物を『シバテン』だと教えてくれました。そうしてこの森の人びとは、こういった木の怪物『デク』を道具のように操って、乗りこなしてこそ一人前なのだと話しました」(続)

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