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ガリバー "法螺吹き" 男爵の冒険LⅩⅫ

「翌日の朝、食事を済ませたタデ先生はイヅナに乗って帰っていきました。私たち3人はタデ氏を見送った後、演習林で特訓を再開しました。わたくしが一人でヤコに乗り、先の3日間に習ったデクの曲乗りを、一つずつ再現していきました」

「何度も根元に張り巡らされた網に引っ掛かり、やり直すうちに、わたくしは一つ一つの動きを一人でこなすことができるようになっていきました。後半の3日間を終える頃には、シダー氏の操るヤコに教われても、かろうじて逃れることができるようになりました」

「わたくしが運転の練習を終えて演習林の入り口に戻り、ヤコの口を開けますと、村長と姫君がやって来ました。わたくしはすっかり疲れきって、運転席から立ち上がれなくなっておりましたが、『これなら、何とか研究所まで連れていくことができそうですね』と姫君が話すのを聞き、胸をなでおろしたのでありました」(続)

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