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知らないうちに多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)になっていた話&妊娠までの流れ

こんにちは。アホキツネと申します。不妊の話は嫌がる人が多いかもしれませんが、同じように悩んでいる方も多いと思ったのでまとめてみました。

結論から言うと不妊治療をして多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)ですが現在妊娠中(臨月)です。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で悩んでいるときに検索しても絶望的な記事や体験談が多く、何度も心が折れかけたので、こういうケースもあったよ。と、少しでも希望が持てる記事になれば幸いです。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは、卵巣で男性ホルモンがたくさん作られてしまうせいで、排卵しにくくなる疾患で、女性の20〜30人に1人の割合でみられます。排卵されない卵胞は卵巣にとどまるため、超音波検査でみると、たくさんの卵胞(嚢胞)を認めることから多嚢胞性卵巣と呼ばれます。症状として無月経や月経不順、にきび、多毛、肥満などが出現します。排卵しないため、不妊の原因になることもあります。

結婚しても中々子供ができなかった

28歳の時に結婚し、30までに子供を産めればいっかな~とか考えていたのに中々できず、深キョンのドラマ、「隣の芝生は青く見える」の女医さんが「1年以上避妊していないにもかかわらず妊娠に至らないのは不妊症と言える」というセリフを思い出し、婦人科のクリニックに足を運びました。

無知だった私

私は高校生の時から生理不順気味でした。ただそこまで危機感もなく、生理不順ということなんの問題になるかもわかりませんでした。むしろ運動部に所属していたので生理が遅いこともラッキーくらいに考えていました。

しかし29歳も終わりに近づく時に初めて「まさか生理不順とかも不妊に関係があるのかも…」危機感を抱いたのでした。姉が妊娠したときに通っていた婦人科にとりあえず行って色々検査をした後にスタッフからお話を聞きました。

そこでは「もしかすると多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)かも」と言われましたが、不妊治療は専門外ということで、専門のクリニックを勧められました。

後日自宅から通いやすい場所にある不妊専門クリニックに行ってみると、基礎体温、排卵日の予想、着床のタイミング、精子の状態など知らないことをたくさん聞くことになりました。
そして血液検査や超音波検査を何度か経て多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断されたのです。余談ですが初回の検査費で5万も請求されたときはビビりました。※以下「多嚢胞性卵巣症候群」=「PCOS」と略します。

タイミング法からのステップアップ

私が通ったクリニックでは、PCOSでもタイミング法から始まりました。正直基礎体温はジグザグで安定せず全く排卵日の参考にならなかったです…。

生理後、定期的にクリニックを訪れ腟超音波で卵胞の状態を観察します。PCOSは卵胞が育たず排卵がうまくされないことが問題なので、育っていない場合は排卵誘発剤を使用します。

私が通ったクリニックでは排卵誘発剤として飲み薬の「クロミッド」をまず試しました。その後「セキソビット」という薬も試してます。
飲み薬で卵胞が成長しているか様子を観つつ、大きく育った卵胞があればサイズを計り、48時間以内にタイミング方を試すという流れでした。
飲み薬のみのタイミング法で上手くできなかったので、「HCG」という筋肉注射も併用して試したりしました。

1年通ってもできず…

この時は減量や運動療法もPCOSに良いと聞いて、血流も良くなりそうだしホットヨガにも通ってました。※特に効果を感じず1年通わずに辞めました。
漢方でPCOSが改善したという記事も見かけたのですが、場所が遠かったことや副作用の記事も見つけて断念しました。当時病院での治療以外も試してみたいと思っていて色々調べていたのだと思います。

そしてこの頃、中々できないことに焦りを感じていました。不妊治療は5年、10年続けている人もいて、もっと時間をかけているケースもたくさんあるので、私のメンタルが弱かっただけかもしれません。
当時はもうすぐ31歳になってしまう…。年齢的にはまだ余裕があっても、この病院に通い続けていいのだろうか?お金だけが無くなっていくだけじゃないか?とステップアップも提案されず、病院への不信感も増加していき一度紹介状を書いてもらえないか相談をしました。
お医者さんはかなり気を悪くした様子で「まだタイミングも6回くらいしかちゃんとできていないし、そんなに簡単にできるわけじゃない。希望されれば書きますけど。」と言われ、半泣きになりながら紹介状を受け取りました。

ステップアップを提案される

とはいえ治療の途中だったし転院先も決まってなかったので翌週も同じ病院に行ったのですが、その時は違う先生がでてきてステップアップを提案されました。「人工授精」「体外受精」の2択でした。

人工授精はタイミング法と仕組み自体はほぼ変わらないのですが、精子の洗浄などを行うのでちょっと確率が上がるかもとのことで、妊娠率は9%。しかし料金は2万程度で済みます。

一方体外受精は、自己注射が必要だったり採卵が必要だったりで体への負担が大きく金額も30万~100万とかなり高額になります。しかも保険適応外です。※2022年4月から不妊治療に公的医療保険を適用する方針を固めたみたいです。
先生からは「PCOSだしタイミングと人工授精はそこまで差が無いので体外受精がいいのでは」と言われました。

私は体外受精で一気にステップアップしたいと思っていたのですが、家に帰って夫に話したところ、「人工授精を1度試してダメなら体外受精にしよう。」という提案をもらい、確かに1回くらいはやってもいいかなと思ったので同意しました。

人工授精の準備

人工授精を選択した後、紹介状を書いてくれた先生から「『レトロゾール』『ブセレリン』も使ってみないか?」と提案をされました。
レトロゾールは本来乳がんの治療薬として使われているのですが、短期間の内服だと卵胞発育が促されるとの報告があるそうです。
ブセレリンは子宮内膜症、子宮筋腫などの治療に用いられるらしいのですが、短期間のみ使用することで卵巣機能も高める作用がありHCG筋肉注射の代わりに排卵を促したり卵巣を賦活化する可能性があるとのこと。
私は「クロミッド」「セキソビット」「HCG注射」を何度か試して反応があまりよくなかったため、人工授精のタイミングで別の薬も試そうということになったのでした。

レトロゾールは飲み薬ですが、ブセレリンは点鼻薬です。使用期間が6か月で金額がなんと16,500円もしました。人工授精とほぼ同額、高ぇ~。
一回買えば冷蔵庫保管で6か月間or14日分は使えるので、日で割れば1,200円くらいだしまあいっかな。てことでチャレンジしました。

人工授精は夫の協力も必須です。
予約日の朝に精液を採ってもらって、病院で洗浄&濃縮を行ってもらいます。診察台に寝転んだら注射器に書かれた名前に間違いが無いか確認されて、膣に挿入されます。調べると個人差あるみたいですが私は痛かったです。
先生に「帰りは走ったりしないでください。あと夫婦生活もできれば今日、明日らへんでやっておくといいです。」と言われ、生理痛みたいな鈍痛が残る中、トボトボと帰宅したのでした。

たぶん今回でできるよ

家に帰り夫に説明をしました。すると「俺、今回できてる気がする。たぶんできたよ。こういうのわかるんだ。」と謎の予言をされました。
「そう簡単に出来たら苦労しないんだよ…!」と心の中で突っ込みをいれつつ、私の気持ちは体外受精に向いていました。
その時色々検索をしていると日経DUALで矢沢さんがPCOSのインタビューを受けており、体外受精でも中々できないこともあることを知ったのです。

体外受精が1回50万だとしても、7回やれば350万です。不妊治療をどこまで続けるのか。あきらめるラインを決めないとな。とやんわり思っておりました。

生理予定日から2週間後

過去タイミング法を試したときもそうでしたが、自分が生理不順のため体温計をつかっても理想的なグラフにはならなかったし、生理日が大きくズレる事はよくありました。
今回はいつもより体温が高いというかだるい感覚はあったような気がしましたが、変に期待をするのも嫌だったので検査薬を使うタイミングは推奨期間よりも少し遅くにしました。
そして推奨日から3日ほど過ぎた日に期待する心を諫めながら検査薬を使ったのです。
過去何度も期待を裏切られてきた検査薬。1分程度で結果は出るのですが今回は確認するまで5分くらいは放置しました。
妊娠していなかった時にガッカリするので、気持ちを落ち着かせる時間が欲しかったのです。そして恐る恐る裏返して結果を見ると、なんと妊娠のマークが出ていたのでした。

クリニックへ電話

若干テンパってクリニックに電話をしました。すると「そのまま近くの産婦人科に行ってもいいし、もう一度クリニックに来て胎嚢の確認をしてもいいです。」とのこと。意外とドライな感じでした。
ダメだった時はまた通うことになるので一度クリニックで見てもらうことにしました。

妊娠2か月

病院に行くと4cmくらいの胎嚢を確認し、同時に心拍も確認できました。最終月経時から妊娠期間を計算するのでこの時点で7週目とのことでした。
その日で一度病院は卒業になり、産婦人科に転院をすることになりました。
そして今、コロナ渦の中でテレワーク推奨期間とも被っていたため安静に過ごせたこともあり、流産せずお腹の中で臨月まで育ってくれています。

まとめ

不妊治療にかかった金額は1年半くらい通って40万くらいだったと思います。そのほとんどが保険適用外でした。
今後不妊治療に公的医療保険適用されて、金銭面で断念していた人たちが不妊治療を受けられる世の中になるのは良いですね。

PCOS発覚で不妊治療を開始し、私は1年半くらい通院し人工授精で運良く妊娠することができました。しかし、もっと遅くに通い始めていれば結果は違かったかもしれませんし、人工授精を飛ばして体外受精を選んでいたらまた違かったかもしれません。

今は臨月の状態でnoteを書いていますが、生まれるまで何が起こるかわからないので今も安心はできません。
不妊治療で授かっても、早期流産(22週未満)の確率は、全妊婦の15%もいるのです。 妊娠した女性の7人に1人と聞くと少なくないと思いますよね。
排卵、着床、妊娠検査薬の反応、心音の確認、安定期、臨月、どれも1つのチェックポイントでしかないのだなあ。と最近は思います。そして産んだ後も子育ては続いていきます。

すべての人に私のケースが当てはまるわけでもないし、あくまで1例ではありますが、PCOSでも妊娠している人はいるのだよ。ということ。また生理不順でいつか子供を欲しいと考えている人はすぐにでも産婦人科で検査だけでもしてほしいと思いました。

長々と分かりにくい箇所も多かったと思いますが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

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