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シングルマザーだけど強くない「弱い母」になった

ある日のこと。テレビをみていたら、シングルマザーの家庭で育ったという某女優さんが「とても強い母で…」と思い出を語りながら涙していました。

強い母、って具体的にどういう人のことなんだろう…とりあえずわたしは違う気がするな…」
などと思いながら見ていたら、そんな気持ちを見抜いたかのような娘からの一言。


「ママって…(シングルマザーなのに)全然強くないよね」
わたし
「そうだね、弱すぎるくらい弱いね…
むしろ(離婚してから)弱くなったかも

「な、なんで?」

約10年前、1人で仕事も家事も子育てもしていくことになったときに、わたしがまず決めたのは、
「もう、ギリギリまで頑張るのをやめよう」
でした。
家庭も、仕事も安定して続けられることが一番大切、と思ったからです。

そのため、
・自分の体調管理を優先しまくる
・休むときはとことん、堂々とぐうたらする
・疲れすぎているときには家事はできるだけやらない
・自分が楽できる家事、を目指し続ける(そのための工夫は惜しまない)
・手作りのご飯を出せない日があっても自分を責めない、凹まない
・娘最優先だけど、最優先にしすぎない。自分が楽しむことも忘れない
・できないことはできないといってもいい(家では)
・感情の蛇口は開けっ放しでOK、喜怒哀楽を大切に。弱音も吐く
・気持ちのままに行動する(家では)
・小さいことは気にしない(大事)

これらを心がけました。

いわゆる「強く、やさしい母」像からは、かなりかけ離れていると思います…。

でも、疲労困憊する前に早めに休んだり、心のままに過ごせたりするようになったからか、10年前より今の方が体調も心も、はるかに安定しています。
娘からは「結婚していたときより、今の方が笑ってるね」と言われています。
強くはないけど、「弱いままでもしあわせな母」にはなれたような気がします。

結婚していたときは、
元夫:
娘が幼いうちは仕事を辞めてほしい気持ちを抑えて働くことをOKしている
わたし:
仕事を辞めてほしいことはわかっているけど仕事を続けたい

という、あまりよろしくない関係性になってしまっていました。

そのため、
「仕事を続けさせてもらうためには家事は1人で完璧にやらなくてはならん」
と思い、すべてを死にもの狂いでこなしていました。
常にギリギリまで頑張っていたし、ある意味あのときは「強かった」と思います。でも、いつ折れるかわからない「自分にムチ打ちながら走る」ようなもろい強さでした。
実際、ギリギリまで無理をした結果ポッキリ折れて(肺炎になり入院)しまったことも。

本当は、結婚していたときも、
「今日は疲れているからお惣菜やお弁当を買ってすませたい」
とか
「冷凍食品にも時には頼らないと正直きつい」
とか
「疲れたからちょっと昼寝する」
「体力気力の限界」
などとバンバン弱音を吐けばよかったんだろうな…と今は思います。

そして、
「いろいろ弱いところがあるしできないことも多いけど、自分ができる範囲でやるしかないよね。弱いなりにも無理しすぎず続けていけるように、いろいろ工夫していこうっと」
と考えられるようになったことで、本当に心が楽になりました。

わたしは、今も相変わらず弱いです。
でも、「弱いけどポッキリと折れることはない強さ」は手に入れたのかもしれない、と思っています。