【後編】 悪いな、これ3人用なんだ。

この記事は後編です。前編を読んでない方はぜひそちらから。

〜大学編〜

私が通っていた大学は、系列の中学校や高校がいくつもある関西の私立大学。私のように外部の高校から進学する学生もいれば、中学からエスカレーター式に進学してくる学生もいます。なので当然、庶民からお金持ちまで色んな家庭環境の人間が集まる場所なんです。

友人関係がそんなに広くない私の周りにもちらほらお金持ちの家の子はいました。紹介する彼女はサークルの2つ下の後輩で、ちょくちょく一緒に遊ぶ仲。彼女の祖母が大きな会社の女社長さんで、ハワイに別荘があるとのことでした。中学・高校と私立の女子校出身だったと思います。一度彼女のうちに呼んでもらいましたが、もちろん大豪邸。敷地に入るための門にシャッターがあり、二階までは靴のまま上がる家は彼女の家以外に入ったことがありません。彼女の母の手料理を振る舞って頂きましたが、それまで食べたことのない料理(料理名も忘れました)が出てきて、食べる物すら違うんだなぁと思った記憶があります。多分私の母もその料理は知りません。

ですがやはり彼女に対しても、お金持ちであることが鼻につくような事は一度もありませんでした。たしかに身の回りの物がブランド品だったり、ちょこちょこ家の話をすることもありましたが、庶民の私だって家の話をする事もあったし、彼女もそれと同じようにただ会話の流れの中でお金持ちであることに触れているくらいのものでした。そういえば、私の家に庭がない事を皆んなにいじられる時期がありました。庶民なだけでいじられるってのはラッキーですよね、おいしかったです。

話が逸れました。そんな彼女ですが、いつもお金がないと言ってた気がします。お金がないので今回は遊ぶのやめときます、みたいな。バイトを掛け持ちしていて忙しそうでしたし、おそらく親に全く甘やかされていなかったのでしょう。そういえば、飲みに行っても必ず終電前には帰っていた記憶があります。

家には高級なものも、美味しいものも、たくさんあるので、彼女もまた自分自身で手に入れたいものがたくさんあったのだと思います。もちろん買ってもらうこともあったでしょうが、基本的には自分でなんとかしないといけないのでバイトを頑張っていた。ある意味、目に毒だったのではないでしょうか。

そういう姿を見ていると、彼女がお金持ちの家の子だからって、自分が嫌な気持ちになることはありません。むしろ大変そうだなぁとまで思っていました。ご両親の教育も良かったのかもしれませんね。私から見れば厳しすぎる気もしていましたが。彼女の場合は少し特殊かもしれませんね。

〜社会人編〜

社会人2年目になった時に入ってきた後輩の彼女は、生粋のお金持ちの子。小・中学校は私立の女子校、高校は海外の高校に通って大学は東京の超有名私立大学。親は社長さん。

彼女は、時々お金持ち自慢をします。親から買ってもらったプレゼントの話、小さい頃にさせてもらった習い事の数々の話…などなど。社会人になっても親のクレジットカードを持っていたり、親に流行りの特定給付金の申請ができる話など、まぁ甘やかされています。

ですがこれも嫌な感じがしないのです。少し呆れているだけなのもあるかもしれませんが、どこか清々しいのです。振り切っているのです。もはや、かっこいいとまで思います。皮肉を抜きにして。なぜなんでしょう。

私が立てた仮説はこうです。庶民の私たちを見下しても、つまんないのです。周りにお金持ちしかいない環境で育つと、お金持ちであるが事が当然のような気がしてきます。周りには自分よりお金持ちの子もたくさんいて、むしろ悔しく思うこともあったでしょう。そんな中、私のような庶民と共存する事になった彼女は、始めは優越感のようなものがあったかもしれません。ですがおそらくすぐに飽きてしまうのです。今まで張り合ってきた場所に比べるとぬるま湯なのです。

例えるなら、プロ野球選手が小学生相手に野球するような。競ったり見下したりする事は決してしない。でもすごいプレーを見せてあげたり、サインをしたりして喜ばせるような。

だから無邪気な小学生である私は、なにかかっこよさを感じてしまうのかも知れません。そんな風に振る舞える彼女のある種の図太さのようなものにも羨ましい気持ちがありそうですが…。

〜まとめ〜

結局、お金持ちを憎たらしく見えないのはその人がいる環境に依るところが大きいようです。思春期の子供は周りと異なる事にとても敏感なので、わざわざそれを大きな声で言ったりしない。周りが自分と張り合えるようなお金持ちの家の子ばかりなら、おそらく自慢合戦になっているでしょうがそれはスネ夫の憎たらしさ(あ、言っちゃった)とは違うでしょう。

小さい頃は少し特殊で、意外とお金持ちであることを特別なことだと思わない。もし皆んながお金持ちな環境なら、自分よりさらにお金持ちな家を羨ましいと思うこともあるかも知れませんが。

でもここまで書いておいてなんですが、スネ夫を見たことあるお金持ちは、憎たらしく見えないよう気をつけているのかも知れません。他人のフリを見て我がフリを直しているような。藤子・F・不二雄先生のおかげかも…。先生ありがとう。

私自身は、お金持ちに大して特別嫉妬するような気持ちはありません。お金の使い方もいまいち分かりませんし。たまに羨ましいなとは思いますが。

長くなってしまいましたが読んでくれてありがとうございます。皆さんの周りのお金持ちの話も聞いてみたいので、よければ教えてください。

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