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② 2017/7/17 すでに失っていたもの

どうして、人を好きになるんだろう
今更、いまさら、今…
底の見えない崖の淵に立たされているような心境だった。

考えたことがありますか?
予想もしなかったことが、起こると。まったく接点のなかった人に出会い、突然、その人が頭から離れなくなると。

私は、旦那と結婚したのは15年前です。恋愛をして、何だかんだありつつ、この人ならと思い結婚に至った、普通の夫婦です。
結婚したことが嬉しくて、信じられないくらい嬉しかった時期もありました。
年を経て、お互いのすれ違いや馴れ合いの中で、問題は白だったり黒だったりグレーだったり。なんとなく、それでも子育てしつつ年をとってやってくんだろう、たまにムカついて別れたくなったりもするんだろう、という、どこにでも居る家族です。
旦那が不満だから、誰かを探していたわけでもないです。
結婚後、旦那以外と恋愛をするなんて、自分の身に起こることではないと信じていました。
それが、どうした、です。
目の前は真っ暗です。恋をしたというのに、真っ暗な恋でした。

私の半分は崖っぷちをかなしく歩き、半分は変わらない日常で母親をしている。
そんな感じだった。
私は結婚していて、子供がいる。四六時中泣きたくなるような気持ちの中で、家ではなんとか平静を装っていた。

雷に撃たれて10日の間に、彼に3回会った。電話やメッセージのやりとりをした。
その度に、認めなくてはいけなかった。

私はこの人が好きなんだ
ほんとうに好きなんだ
好きになってしまったんだ

絶望でしかなかった。

その恋は、十数年前に夫と結婚という制度に同意した時点で、すでに失っていたものだったからだ。

このとき、彼が独り身なのか、既婚者なのか、まだわからない状態でした。
ただ、私の車の故障についてを、私にわかるようにていねいに説明してくれる彼の誠実さが、いっそう惹かれる原因でした。
質問をしては話を延ばして、すこしでも彼の話を聞いていたかった。
そして、何もわからない車のことを必死で調べました。
彼と少しでも話をしたくて、言っていることを理解したくて、近付きたくて、仕方なかったです。
私は、多分人当たりは良いので、彼は良いお客さん、という認識だったと思います。
そこから、車の話などを通じて、短期間でしたが少しずつ信頼はされていったと感じていました。

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