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どうしてすがるの?

身体の調子がいいとき、心が穏やかなとき、生活が安定しているとき、それを死守しようとする。その死守が私を殺しやしないか?

今日、職場で会社を辞めることを打ち明けた。数人の上司以外にはまだ言えてなかったから。

「さみしくなる」「絶対やだ!」「戻ってきたらまた働いてくださいよ!」など、嬉しい言葉をたくさんもらった。でも一つ引っかかった。

「仕事は三年は続けないと先がないのに…」
根拠は一体なんなんだ?

私が会社を辞める決心をした一番の理由は、愛犬を看取りたいからだ。

十月半ばに彼の容体が急変したときに感じた、心の奥の奥から湧き出る後悔。私の自殺を思い留まらせてくれた彼の命を最期まで見届けたいという気持ちが、私に一歩を踏み出させた。

でも、実はそれだけではない。「ここでは私のなりたい私になれない」、そう常々思ってきたのだ。

私が常日頃気になっていたのは、挨拶と返事と不機嫌だ。

どんなに丁寧に挨拶しても、帰ってくるのは節目でボソボソ挨拶がほとんど、そんな環境にモヤモヤする毎日。

「〇〇さんからお電話です」
電話を引き継いだ私の顔も見ず、頷きもせず、なんの反応もしないでその電話に出るのが当たり前な空気。

不機嫌を全面に出して、周りを萎縮させるその態度。

もちろん、大前提として物凄く感謝している。「愛犬のために会社を辞めさせて」なんて側から聞いたら意味不明の戯言にうなづいてくれたこと、私のこれからを案じてくれることに。
(参照『愛犬のため会社を辞めますと言った日に気づいた幸せ』)
でも、私にはどうしても譲れない価値観がある。

挨拶とか、返事とか、自分の機嫌は自分でとるとか、そういう当たり前のことができる人でありたい。それができなくなりそうな気がした、というのも会社を辞める一因にある。

たしかに一年で会社を辞める奴なんて、履歴書としては信用に欠ける。ましてや私は高校も中退しているので、根性なしだと思われるだろう。

でも、私は自分の力で生きていこうとしてるのだ。みんなが言うからとりあえず三年、とかそういうのを払拭したいのだ。

愛犬がいなくなるかもしれないと思ったとき、今この一瞬のかけがえのなさを痛いほど痛感した。失うとわかって初めて、今この瞬間の美しさを味わった。今の私自身だって、もう二度とは戻ってこないんだと。

安定したいし安心したい。
でも、それは留まることではないと思う。求めて求めて進み続けるから、そんな自分を信頼できる。自分の未来を確信できる。それがやがて功績になる。

時はずっと流れてく。留まるだけなら置いていかれる。期待と興味に両手をひかれて、元気いっぱい進みたい。


もしも私にご興味をもっていただけたなら、
ぜひ「お願い、私を見て(自伝)」もご一読お願いします。

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