朝日新聞 仕事力「学びとキャリアをつなげよ」
日曜日の朝日新聞といえば求人欄。いや、別に転職したいわけではないのですが、でもなんとなくいつも目を通しています。
で、求人欄のリレー連載コラム「仕事力」は、各界の著名人・専門家が自身の職業観を語るコーナーで、こちらも割と読んでおります。今月は歴史学者の磯田道史先生。
上記2週目のコラムは、就職コラムでありつつ、教育コラムでもありました。引用させていただきます。
これは近江商人の「三方良し」という仕事哲学だと後に知ります。自分にも相手にも世間にも良い取引をという哲学。僕の場合、まず、歴史学で食べられると楽しくて、自分良し。一般の方も楽しめる歴史書が書けると、世間良し。僕の本を出版する会社も利益が出て、相手良し。
キャリア教育の入門書『キャリア教育のウソ』(ちくまプリマー新書)の中で児美川孝一郎先生が書かれているのが「やりたいこと」「やれること」そして「やるべきこと」の交点で進路選択するべし、ということでした。磯田先生の「三方良し」で重なるのが「世間良し」の観点。
↓は良書です。
少し脱線しましたがコラムに戻りますと…
標準の基礎教育が重要なのは確かです。ただこれからはそれだけでは足りない。一生、自学自習する習慣や陳腐でない知識、技術を持つ人が強い。
これはよく言われることですが、「陳腐でない知識、技術」とはどのようなものでしょうか。リベラルアーツ的なものも含まれるかもしれませんし、新しい価値を生み出す課題発見力や創造力といったいわゆるジェネリックスキルもそうかもしれませんね。磯田先生は前週のコラムでは「知識資本」という言葉を使っていらっしゃいました。
日本人は平和が続くと皆で標準行動をとり、当たり障りのない常識人を出世させます。しかし変革期が来て危機になると、織田信長や西郷隆盛、坂本龍馬のような個性的な人を短期間使って捨てるシステムでやって来た。
日本の社会システムが必要にかられて信長や西郷どん・龍馬を用い、そして殺したという観点がおもしろく。そして変革が次から次へと起こる21世紀は、価値観の多様化もあり、数少ない異才の人に頼る他力本願ではなく、一人ひとりがその知識を使って乗り切っていかなければならない、というところでしょうか。
まぁ、変革=危機=乗り越えねばならないものとは一概に言い切れないかもですが(でも「常識」の危機ではあるか…)。とにかく面白いコラムでございました(どうでもいいけど紙面の先生の写真はなんだか迫力があります)
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