君の隣に

深夜。街も君も寝静まった頃、
私は静かに夜のベランダに立ち、
電子タバコ片手に星を見上げる。
冷たい風が肌を撫で、
部屋で眠るあなたを想う。

私の心臓の音の方が大きく聴こえそうなくらい
小さな音で流れる音楽は
きっと私への心遣いなんだよね。

優しい月明かりがあなたの寝顔を照らし、
その穏やかな表情に、私は微笑みを浮かべる。
夢の中に、私もいたらいいのに
きっとそんなことありえはしないけど。

あなたの髪にそっと触れることはできないけれど、
その柔らかさを想像しながら、
私は心の中であなたに語りかける。
「おやすみ、愛しい人」と。

星空に願いを込めて、
あなたの安らかな眠りを見守りながら、
私は朝の訪れよりはやく一服を終える。

「もう戻らなきゃ」

ベランダ越しに忍び込んだこの部屋から
私は私の世界に戻る。
また来るからね。

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