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前置胎盤ってなに?症状や気をつけた方がいいこと3つ

妊娠中の合併症のひとつとして挙げられるのが
「前置胎盤」です。
前置胎盤という言葉を聞いたことはあるけれどよくわからない、というい人もいるかもしれませんね。
ここでは前置胎盤の基本知識と症状、気を付けたい3つのポイントについてご紹介します。


1.前置胎盤ってなに?

前置胎盤がどんなものなのか、症状は出るのか、など、まずは前置胎盤の基本について学んでいきましょう。

①胎盤が子宮口に近いと「前置胎盤」

胎盤はお腹の赤ちゃんとママをつなぐ、大切な命綱です。
ママからは酸素や栄養を届け、赤ちゃんからは不要になった二酸化炭素や老廃物を戻す役割を果たしています。
胎盤は通常、子宮口から遠い上部にあるのが一般的ですが、何らかのトラブルにより、胎盤の位置が子宮口に近い場所にあることを「前置胎盤」といいます。

②症状は?

前置胎盤は、特にこれといった症状はありません。
そのため自分で気づくことはほとんどなく、妊婦初期の健診の際に、前置胎盤であることがわかるケースが一般的です。
また、まれに妊娠28週以降に「警告出血」が起こることがあります。
前置胎盤と診断されている方は、出血がみられた場合は、すぐに病院に相談しましょう。


2.前置胎盤になりやすい人?

前置胎盤になりやすいのはどんな人か、というのが気になりますが、どんな人がなりやすいかという原因はわかっていません。
ただしリスクについてはわかってきており、
・高齢妊娠
・喫煙者
・多産婦
・双胎
・以前に子宮の手術を受けたことがある
などが挙げられます。
また、現在は前置胎盤の人は増加傾向にあり、全分娩の0.3~0.6%が前置胎盤であるといわれています。


①前置胎盤の分類

前置胎盤にもいくつか種類があります。
胎盤の位置によって
・全前置胎盤
・部分前置胎盤
・辺縁前置胎盤
の3つにわけられます。

②全前置胎盤

全前置胎盤は、内子宮口を胎盤が完全に覆っている状態をいいます。
胎盤の縁から内子宮口までの距離が2cm以上あることがほとんどです。

③部分前置胎盤

部分前置胎盤は、胎盤が内子宮口の一部にかかっている状態をいいます。
胎盤の縁から内子宮口までの距離が2cm未満であることがほとんどです。

④辺縁前置胎盤

辺縁前置胎盤は、胎盤が内子宮口の端にかかっている状態をいいます。
胎盤の縁から内子宮口までの距離がほぼ0cmであることがほとんどです。


3.お産はどんな方法になるの?

前置胎盤は、赤ちゃんが生まれてくる道を塞いでいるため、そのままでは赤ちゃんが子宮の外に出ることができません。
そのため、前置胎盤と診断された場合は、ほぼ100%帝王切開での出産となります。
子宮収縮が始まると大量出血のリスクがあるため、時期を見極めての出産となるケースがほとんどです。


4.妊娠中の生活で気をつけた方がいいこと3つ

もしも前置胎盤と診断されたら、どのようなことに気を付ければ良いのでしょう。
ここでは前置胎盤と診断された時に気を付けたい3つのことをご紹介します。

①運動はNG

前置胎盤と診断されたら、原則運動はNGです。
妊娠中はそもそも激しい運動をすることはありませんが、前置胎盤になったらヨガやストレッチなどもほどほどにしたほうが良いかもしれません。
また、どの程度動いて良いかは個人差があります。
医師に確認すると安心です。

②性交も避ける

性交することで子宮が収縮しやすくなります。
子宮が収縮することで胎盤の一部がはがれてしまい、大量出血を引き起こす可能性も。
万が一のことを考え、性交は避けたほうが良いでしょう。

③安静を心がける

妊娠後期になっても前置胎盤が改善されない場合は、安静を心がけるのがおすすめです。
出血やハリがなければ仕事などを続けても問題ありませんが、体力勝負のハードワークが必須の仕事は、業務内容や勤務時間の調整を検討してもらうといいでしょう。


5.こんな時はすぐに病院へ!!

前置胎盤のほとんどは症状がなく、いつも通り生活していて問題のない合併症です。
しかし胎盤が通常の位置ではない、ということはリスクのひとつ。
腹痛を伴わない出血が起こったり、お腹の強いハリを感じたり、いつもとは違う症状が起こることもあるでしょう。
前置胎盤と診断されたあと、少量でも出血があるようなら、迷わず病院を受診してください。
また、出血はないけどお腹のハリがいつもと違う、と感じた場合も、念のため病院を受診しておくと安心です。


6.まとめ

前置胎盤は妊娠初期の健診で診断されることが多く、長い妊娠生活が不安になってしまうこともあるでしょう。
お腹が大きくなるにつれて、胎盤の位置が上がるケースもあるため、妊娠16週ごろからより注意深く見ていく必要があります。
前置胎盤でも赤ちゃんは元気に生まれてきます。
不安なことがあったら、主治医や看護師、助産師に相談すると安心してお産に臨めますよ。

助産師/高木奈美

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