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Nakuriyu
2021年10月17日 12:38
「記憶は戻った?」「少しも変わらない」「……」「目が覚めて、白い壁を見ると、誰かの顔が浮かぶような気がするの。それが誰か知っている人な気がして、でも思い出せない」「そう。外には出てる?今日も良い天気だよ」「ううん」「私と一緒ならどう。林檎の木まで」「うん。それも良いかな」何も変わらない。何度ここを訪れても、彼女の在り方は変わらない。私は頭の中で暦を思い浮かべ、あと何度ここに来ら