報われない視聴者投票はどこへ向かうのか【2023年9月1日】
9/1は、あるオーディション番組で、アイドルグループのデビューメンバーが決まる日だった。
私はオーディション番組をよく観るわけではないけれど、地元の習い事で10年くらい一緒にダンスなどをやっていた友達がそのオーディションに出るからという理由で観始めた。
その子は番組の途中で脱落してしまった。
序盤からあまり番組内で目立たず、ランクも低めで常に脱落の危機。
そんな彼女が途中から「覚醒した」と呼ばれるようなパフォーマンスを見せ始めた。
デビューという文字が少し現実的に感じられてきた。
チッケム(と呼ばれるひとりだけをピックアップした動画)の再生回数も、彼女のものがなんと一位に。
確実に人気も上がっていることがわかった。
投票数も増えていたに違いない。
だけどこのオーディション番組は、視聴者投票と実際の収録の期間に大幅なラグがある。
一生懸命投票していた推しが、実はもう脱落していた、なんてことが起こり得る。
彼女の場合もそうだった。
チッケム再生回数が一位になったとき、すでに彼女は脱落していたのだ。
意味のない投票、死票だと分かったときのやるせなさは言い表せない。
友達が脱落してから番組を観るモチベーションが下がっていたものの、YouTubeや Twitterで番組の動向は追っていた。
そして9月1日。デビューメンバーが決まった。
デビューメンバーの決め方は不思議だった。
1位と2位は視聴者投票で決まり、それ以外の4人のメンバーは事務所の判断だという。
結果的に、投票順位4位の子が脱落し、8位の子がデビューするという異例の事態だった。
8位の子を否定したい気持ちはさらさらないけれど、4位なのにデビューできなかった子と、そのファンの気持ちを想うとなんだかつらくなった。
私の友達も、4位なのに脱落した練習生の子も、どこかで報われてほしい。
それがきっと、投票をしたファンの気持ちが報われることにもつながるから。
今回の番組を通して、改めて日本を飛び出して異国の地で夢を追う友達のことをすごいと思った。
どうか彼女の輝ける場所でデビューできますように。
もし日本に帰ってきて、いつか再会できるタイミングがあるとするならば、思い切り抱きしめてあげたい。
そんなことを勝手に考えながら、彼女の夢に想いを馳せる。
投票ボタンは届かなかったけれど、この思いはいつかどこかに届きますように。
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