詩を書く1

ちょっといまは、詩を書くモードです。中学生の頃から書いてて、30代を境にすっかり書かなくなりましたが、まずは過去作品を移植するところから始めます。


ライオンの夢

夜明け前
僕は君の声を聞く
どこかで叫び続けている
麗しい君の金切り声を

いつからそこに川があったのか
僕は知らない
その川がどんな豊かな水をたたえ
どんな風にして
2人の距離を隔ててしまっていたのか
僕にも 君にも
覚えがない

緑の大地と
風の蒼いせせらぎ
いつしかすべてが乾き
畏れの火は止み
その大いなる流れは失われてしまったとしても

僕は僕の道をいく
君は君の歩みを
すこやかに

すべてが遠くに見える
君の家が小高い丘の上に見える
僕はもう
荒い息つぎで そこまで
泳いでいったりなんてしないだろう

この時代にしがみついてる精霊たちよ
聞いて欲しい
この胸がなぜせつない音をたてて
鼓動を刻むのかを

想像して欲しい
この世界をおろかに蔑もうとする
盲目の御者が
僕の仔牛たちに
最後のムチをあてるのを

想像して欲しい
古代の王を退けた
ひとしなみの民たちが
砂漠から 大石から
森や大地の息づかいに耳をすますのを
天使たちが
めのうの輝きに包まれるのを
君のドラッグをひた隠しにするのを

積み上げた砂楼を
こなごなに砕いて
そしてまた歩き出そうか
もしその時
また石を積み上げるのだとしたら
その石を拾って僕に放ってくれないか

夜明け前
僕は祈る
君のその魅惑的な話し方が
見知らぬ罪を着せられ
大切な人を失ってしまわぬように

ライオンの夢を見ている
老婦の眠りを
僕は呼び覚まそうか
それとも水瓶の潤いを
ほおばってみようか

絶望を互いに打ちならすピンポン
フレンチスタイルの君の高価なドレス
君と過ごす季節はもう繰り返さない
このシステムに無様に取り込まれた精神よ 
くそくらえ
このシステムに無様にしがみついてるモラルよ 
くそくらえ

この世界の終わりで
気分があって もしも
もしも会えたとしたら
また会おうか

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