祖父が亡くなった。死後手続きをした。№1
こんにちは。なこです。
この記事では、年末に亡くなった田舎に住む祖父の死後手続きについて書いていきます。
祖父が亡くなった
令和5年の年末に癌で闘病中だった祖父が亡くなりました。闘病生活は5年くらいだったでしょうか。令和5年の4月には余命宣告をされ2ヵ月と言われていました。余命宣告より半年も頑張りました。
祖父の強い希望で、なるべく入院や施設に入らずに可能な限りの治療をして、最後は自宅で親族が集まった日に亡くなりました。冬休みに入って、親族が集まれた日にホッとしてもらえたのかも知れません。
余命宣告をされていたため、心の準備は皆できていましたが、大晦日に葬儀をすることになり、葬儀関係の業者も年末年始のお休みに入っていることが多く、できないことも多くありました。
大晦日ということと、祖父の希望もあって、葬儀は家族葬で親族のみで執り行いました。当日は、疲れて悲しんでいる中で他の人の対応までしなくて良かったので、葬儀は家族葬で良かったと思います。
ゆっくり悲しんでいられない現実
葬儀が終わり、新年になり早々に現実が待っていました。
それは、祖父の死後手続きと相続手続きです。ゆっくり悲しんでいられない現実は結構辛いものですよね。
そうは言っても待ってくれないのが、これらの手続きです。手続きの期限が決まっている内容も多数ありますので、まだ経験したことのない方はお気をつけください。
完全に受け身の相続人
まず、一番問題だったことは、相続人の祖母と祖父の子3人は分からないことを調べて動こうとしない人達だということです。相続人全員が、今まで祖父が全て決めたことに「YES」と言いながら生きてきました。
私は仕事柄(法律事務所勤務)、死後手続きや相続手続きはある程度、理解しています。また、祖母や祖父の子達がそういう性格だということも把握していました。
そのため、祖父が亡くなってから役場が開くの間に、祖父の場合で必要な死後手続きと相続手続きについて、相続人に説明できるように書類を作りました。
さて、なかなか心が折れる日々が始まりました。。。
役場での死後手続き
そして、役場でできる手続きを新年早々の1月4日の午前中に、相続人を連れて役割分担させてできる以下全ての手続きを終わらせました。
相続人の中で印鑑登録をしていない人は印鑑登録
相続人全員の印鑑証明書の取得
被相続人の印鑑登録証の返還
被相続人(亡くなった人)の出生~死亡までの戸籍謄本の取得
相続人の被相続人と一緒の戸籍から抜けた所~現在までの戸籍謄本の取得
相続人全員の住民票の取得
住民票の世帯主変更手続き
被相続人の後期高齢者医療保険被保険者証の返還
被相続人の後期高齢者医療保険葬祭費支給の申請
被相続人の介護保険被保険者証・介護保険負担割合証の返還
水道料金の引き落とし口座変更手続き
固定資産評価証明書・名寄帳の取得
固定資産の相続人代表者届出書・変更届出の手続き
小さな町役場ですので、担当課は複数ありましたが全て1つのフロアで済みました。そのため、誰に何の手続きをしてもらっていて、何が終わっていないのか把握しやすかったです。
私は一番不安だった75歳の祖母に付きっきりになりながら、手続きを進めました。年齢とともに理解力が落ちてきているような雰囲気がありますので、申請書などの書類を一緒に読んで、どう書くのかなど、ゆっくり伝えるように気をつけました。
では、ここから1つ1つどういうことか説明していきます。
*相続人の印鑑登録*
祖父は遺言書を作成していませんでした。作成していたのかも知れませんが、祖父宅は物が多すぎるため、思い当たる場所に遺言書がなく、探す時間がもったいないので、遺言書はないものとして、相続人全員で遺産分割協議書を作成する方向で話しを進めました。
遺産分割協議書を作成した最後に、相続人全員で署名・実印の押印をします。全員分の署名・実印の押印がされている遺産分割協議書に相続人全員の「印鑑登録証明書」の原本を添付して完成です。
そのため、相続人の中で、それぞれ相続人の住所地の役場に印鑑登録をしていない人がいたため、事前に印鑑登録をしてもらいました。その後、相続人全員に、印鑑証明書を取得しました。
また、被相続人(祖父)の印鑑登録証というカードは死亡した時点で使用できなくなっていますが、返却手続きをしました。
※遺言書:自分の財産を「誰に」・「どれだけ残す」のかを生前に自分で意思表示したもの。遺言書には種類によって扱い方も変わってきます。またそれぞれのメリット・デメリットもあります。この辺は分かりやすく、まとまっているサイトがありますので、リンクを貼っておきます。
※遺産分割協議書:遺言書がない場合は、相続人全員で残された財産をどう分けるか協議します(遺産分割協議)。協議した結果をまとめた書類が遺産分割協議書といいます。こちらも分かりやすくまとまっているサイトがありますので、リンクを貼っておきます。
*被相続人・相続人の戸籍謄本の取得*
まず、相続手続きを始めるために、相続人の調査をする必要があります。そのため、被相続人(祖父)の出生~死亡までの戸籍謄本を取得しました。また、被相続人の戸籍から抜けた子3人の、抜けた直後~現在までの戸籍謄本も取得しました。
仕事で相続人調査をしていると、時々、家族の知らないお子さんが出てきたりすることがありますので、戸籍を抜けなく取得することは大切なことです。
また、被相続人の戸籍については、死亡した記載が反映されるまで死亡届を提出してから約2週間はかかると役場に言われましたので、その分は後日取得しました。
なお、戸籍謄本の取得は、最近まで本籍地でしか取得できませんでした。しかし、令和6年3月からは戸籍謄本等の広域交付制度が始まったため、戸籍謄本の取得方法は以前より楽になりました。この制度については、リンクを貼っておきます。
戸籍にも様々な種類があります。読み方も種類によって異なりますので、初めて戸籍を見る方は大変だと思います。戸籍の種類によって、値段も変わってきますので、自分で取得される方は、役場に相談しながら進められるといいと思います。
*相続人全員の住民票の取得*
相続人の調査は住所まで行います。そのため、各相続人の住所地の役場で住民票を取得してきてもらいました。
住民票は役場によって手数料が変わりますので、役場で確認してください。
*住民票の世帯主変更手続き*
今回、祖父は住民票の世帯主でした。亡くなった場合、「住民票」から「住民票の除票」というものに変わります。変わることで、世帯主だった人の住民票はなくなりますので、世帯主が不在の状態になってしまいます。そこで、同じ世帯の誰かに変更する必要があります。
世帯主変更手続きは、祖父の住所地では役場の方が口頭で確認されただけで、何か書類に記入するなどはありませんでした。その場ですぐに対応していただけたので、新しい住民票を取得することができました。
*後期高齢者医療保険被保険者証の返還・葬祭費の支給申請*
祖父は75歳を過ぎて、後期高齢者医療保険被保険者証を使用していました。そのため、不要になった被保険者証の原本を返還する手続きをしました。
年齢や仕事の有無によって、加入している保険機関は違いますので、国保や社保の方もいると思います。亡くなった方の保険証をよく見て返還先などを確認してください。
また、喪主をしていた子(長男)は、会葬礼状と自分の通帳の写しなどを持参して、葬祭費5万円の支給申請を併せて手続きをしました。葬祭費は喪主しか支給申請ができません。今回は、約2ヵ月後に入金されたようです。
*被相続人の介護保険被保険者証・介護保険負担割合証の返還*
祖父は亡くなる直前に少しだけ介護保険を使用していました。介護保険被保険者証と介護被保険負担割合証は窓口の方に返却するだけで、特に書類の記入などは不要でした。
*水道料金の引き落とし口座変更手続き*
水道料金などのライフラインは全て祖父の名義で祖父の口座から振替えられていました。今後、祖父の口座は使用できなくなります。特に、ライフライン関係は、滞納が生じて水道や電気などが使用できなくなっては困ります。祖父と同居していた祖母や子(次女)の生活を早く安定させるためにも、早急にライフライン関係を整える必要がありました。
その中でも水道は役場の管轄でしたので、祖母の口座へ変更の手続きをしました。
*固定資産評価証明書・名寄帳の取得*
祖父の場合は、複数の土地と建物を所有していました。今後、遺産分割協議をするにあたり、どこにどれだけの土地や建物があるのかを把握する必要がありました。
幸いにも祖父は住所地の町のみに土地・建物を所有していましたので、固定資産評価証明書と名寄帳を取得するのは簡単でした。
しかし、祖父の所有していた土地が「おおよそこの辺だろう」という感覚は相続人全員あったのですが、それが8筆に別れていたことを名寄帳などを取得してみて初めて知り、皆で少し驚きました。
これが、他の自治体にも所有している土地や建物がある場合は、それら全ての自治体から取得する必要がありました。
これらの書類は、相続税の計算や申告にも大切になる書類ですので、早めに取得して相続税の申告が必要かどうかの判断に使用しました。相続税は被相続人が亡くなってから10ヵ月以内に申告と納付をしないといけません。早めの行動が必要です。
※固定資産評価証明書と名寄帳:聞き慣れない言葉だと思いますので、分かりやすいリンクを貼っておきます。
*固定資産の相続人代表者届出書・変更届出の手続き*
所有している土地・建物があるということは、固定資産税を毎年払っている可能性が高いです。
どの土地を、どの建物を、誰が相続するのか、がまだ決まっていない場合でも固定資産税は払わないといけません。
そこで必要なものは、固定資産の相続人代表者届出書・変更届出の手続きをすることです。遺産分割協議が無事に終わって、土地や建物の相続を誰がするのかを相続登記が終了するまでの代表者ということです。
今回は一旦、祖母を相続人代表者として届出ました。
この手続きも、所有している土地や建物がある全ての自治体にする必要があります。
※相続登記:土地や建物は法務局に登録されています。その登録されていることを登記と言います。また、相続をして土地や建物の所有者が変更になった手続きをすることを相続登記といいます。相続登記は自分でもできますし、面倒であれば司法書士に依頼することもできます。詳しくは、リンクを貼っておきます。
以上で役場でしてきた祖父の死後手続きでした。
結構な量がありますが、早めに手続きしないといけないものも多く、相続人全員で分担できたことがスムーズに進められて良かったと思います。
相続人の75歳を過ぎた祖母1人では難しかったので、子3人が仕事休めたことがありがたかったです。
身内が亡くなって、本当は悲しい思いで心の整理ができない状況だった相続人もいました。
しかし、死後手続きは役場だけでは完結しません・・・。
年金やライフラインの手続きなど、自宅で電話をかけたり、窓口に行く手続きもあります。今後は、その辺の手続きを記事にしていきたいと思っています。
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