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わたしの幸せな結婚

塚原あゆ子監督作品、目黒蓮氏主演の「わたしの幸せな結婚」を観て来た。

本編予告

ドラマ「silent」からめめにハマり、口を開けばめめ、めめ言ってる母に誘われて同行。

初めてのレイトショーで、もう誰もいないかと思ってたけど、割と人が多くて驚いたものの、さすが今をときめく目黒蓮を感じた。

あらすじ

舞台は明治、大正を彷彿とさせる日本。
異能が当たり前の世界で、名家に生まれながらも、前妻の子供であることや、異能を持ってないことで、家族から愛されずに虐げられて育った斎森美世は政略結婚の為、帝国陸軍の対異特務小隊隊長・少佐の久堂清霞の元に嫁ぐことになる。
美しい外見とは裏腹に、女性に対して冷酷無慈悲で有名な清霞。
彼の元に嫁いだかつての女性達は、例外なく3日も持たずに家を出て行ったというが、美世は清霞の優しさに気づき、清霞もまた、美世の健気さや純粋さに惹かれていく。
やっと幸せを掴みかけた2人だったが、そんな2人の仲を引き裂く魔の手が忍びよっていたーー。

以下感想(ネタバレあり)



監督の塚原あゆ子さんの過去作「アンナチュラル」や「MIU404」を見ていてハマった私は、「映画の塚原あゆ子作品を見たい!」と思う反面、例年の漫画実写×ジャニーズ主演の大コケっぷりも見て来たのでかなり不安はあった。

結果的にいうと、映画は私のその期待を超えていた。
でも、手放しで良かったと拍手を送るには少し気になったところが2点あったから、まずはそこを話したい。

気になったpoint①
清霞が全然冷酷無慈悲じゃない

私は原作未読で行ったから、原作の久堂清霞がどのくらい冷酷無慈悲なのか分からないけど、美世と対面して2日目くらいには、もうすぐ顔が綻んでいた。
ご飯を食べてる時も口いっぱいにごはんを頬張ってもぐもぐしてたし、街に出かけようといった誘いの時も、「一緒に来るか?」と美世に決定権を委ねていた。
いや、ただのいい人じゃん。清霞。
可愛すぎない?清霞。
今まで出て行った女達何見てた?
と、ついつい思ってしまうくらい笑顔が素敵で優しい当主。
それはそれでいいんだけど、欲を言うなら冷酷無慈悲を売りにしてるし、もう少しドS発言をする清霞を見てみたかった。

気になったpoint②
途中展開について行きづらい

これは映画だから仕方のないかもしれないし、元々連ドラの監督さんということもあってだと思うのだけど、2時間ちょっとの映画の中に、かなり要素が詰め込まれている。
よく言えば、いろんな場面を見ることができるのだけど、正直いうとなんの前情報もなく行ったら、かなりちんぷんかんぷんだった。

特に終盤に美世の異能が覚醒して、陸軍がパニックになってからは、内容が怒涛すぎるのに、説明は少ないから「なんでそうなった?」「結局これは誰のせいで、なんで解決したの?」「ん?美世が悪いのこれ?」と疑問が次から次へと湧いてくる。
その間の映像はアクションとCGで見応えがあったが故に、かなり勿体無い。

もしかしたら、漫画を読んでればわかるのかもしれないけれど、そもそも映画は2000円近くお金払って(今日はレディースDAYでみたけど)2時間以上自分の時間を映画を見ることに拘束されるわけだから、「漫画(原作)読んでないと分かりにくい」というのは、どうしても不親切さを感じてしまう。
もう少し虫のことや、帝の画策のこと、美世の異能とそれが与えた影響について丁寧に描いて欲しかった。

以上2点が気になったポイント。
ではお次に、私なりのこの映画のオススメどころを紹介したい。


圧倒的映像美と迫力

冒頭の異能者の魂を葬ってる墓でのシーンが綺麗すぎて、ハッと息を呑んだ。
もともと日本文化が好きな私にとって、実際の重要文化財を使って撮影した映像は、美しくて重厚で厳かな雰囲気を楽しめるから、それだけで満足度はぐんと上昇。
また、美世を誘拐した斎森家を清霞が襲撃するシーンでは、一瞬で家屋を火の海にしてしまって炎の迫力満点だし、最後の陸軍内の戦闘シーンも異能が使えない中での生身での戦闘がなかなか良かった。
あわよくば、めめが岡田准一氏や佐藤健氏並に殺陣が上手ければともっと見応えがあったのにと、たらればを考えるくらいには見入っていたと思う。

役者陣の素晴らしい演技

主役はもちろんだけど、私はこの映画の推したいポイントは、脇を固める役者陣のさすがの存在感だと思っている。

例えば、帝の側近を演じた尾上右近氏。
品があり帝に従順だけど、絶対裏もあるよなーと思わせる絶妙な感じとか、所作の美しさは、さすが歌舞伎一門の役者だと思い、彼の実力をまじまじと感じた。

また、美世の義母を演じた山下紗弥加氏。
彼女の意地悪な義母っぷりには最高にムカついたし、美世を拉致って容赦なく暴力を振るう所は、徹底的に演技を悪に全振りしていて、彼女の役者としての覚悟を見せてもらったような気がした。

そして、なんといっても石橋蓮司氏。
彼は映画の中で、未来を予知する能力を持った帝役だった訳だけど、私はこの帝役が石橋蓮司氏で本当によかったと思っている。
劇中帝は死の淵に立っていて、寝たきり状態になってしまっていた。
そんな状態で話す啓示の言葉は、聞き取るのもやっと。
寝てるからもちろんきちんとした姿勢での発声ではなく、しかも死が近いからガラガラの声で話さなきゃいけない。
ほとんど何を言ってるか分からないけど、どうにかしてちゃんと聞かねばならない、と思わせる声の迫力、そして不思議とちゃんと聞き取れる滑舌の良さは、石橋氏の長年の役者としての実力と、貫禄を味わうことができ、彼が話している場面で、私は密かに感動していた。

今田美桜可愛すぎない?

本当に可愛い。
ビジュアルが美しいこともそうだけど、清霞の家に来てからの健気さと純粋さが本当に可愛くて、まぁそりゃ清霞もすぐ惚れちゃうわなってくらい可愛い。
お化粧して、綺麗な着物着るところは本当に可愛いすぎて、思わずハァとため息が出た。
話す言葉とか表情とかも、可愛くてついつい守ってあげたい、喜ばせてあげたいという気持ちが常に芽生えていたし、斎森家に拉致られて水瓶に顔をなん度もつけられるシーンの悲惨さが余計に浮きだっていて泣きそうだった。
それぐらい可愛かった。可愛すぎた。

同じ福岡出身ということが誇りである。

最後に

私が思う久堂清霞、ここが可愛いランキングTOP5を紹介する。

第5位
年上女性に弱い清霞
使用人のゆり江さんとか、呉服屋の店主に対してタジタジの清霞、本当に萌。

第4位
部下に優しい清霞
五道とか、他の隊員に対してかなり優しいし、家族のことも気にかけてくれる普通にいい上司。

第3位
ご飯もぐもぐ清霞
美世が作ったご飯がそんなに美味しかったのか、頬っぺたいっぱいにご飯を詰め込んでもぐもぐしているの、もはやあざとい。

第2位
ツンデレデレデレ清霞
最初の美世と初対面の時と、次の日のご飯を食べなかった時はツンだったけど、すぐに笑顔を見せて、美世に餡蜜を食べさせてくれるの好きしかない。

第1位
プロポーズが粋な清霞
ボロボロの着物と木櫛を持っていた美世に、綺麗な着物と綺麗な木櫛をしれっとプレゼントして、結婚の意を伝えるところとか粋でしかない。私は暗喩が好きな人間だから、こういうことされると普通に惚れる。プロポーズされるなら指輪じゃなくて、櫛が欲しいと思えるシーンだった。

レトロな日本の雰囲気と、美しい映像、あと美桜ちゃんの可愛さや、めめのかっこよさを堪能したい人はぜひ。

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