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サウナのある生活

乱れきった自律神経を整えるため、いざサウナラボへ。
ラボの入り口は、油断してると見逃してしまうそうなほど小さく、低い。
自分が入っていいものか、少し悩んだ。
でも入り口はどう見てもここしかないし、目の前の扉を開けるしか道は他になし。
頭が高ーい、頭が高ーい。
お辞儀をしながら扉を開ける。
気分はAlice in wonderland!
受付を済ませて、ロッカールームでポンチョとサウナハットを被れば準備は万端。
中に入る。
基本的にサウナへの入り口は小さくて低い。
それに、当たり前なのだけれど、中にいる人皆同じ格好でウロウロしている。
なんだか小人の世界の住人になった気分。
さて肝心のサウナへ。
まず入ったのは、ドームのお部屋。
80度。ちょっと熱め。
静寂な空気が流れる。
時間はオレンジの砂時計がサラサラ教えてくれた。
5分経過、エクリン腺が歓喜の舞を踊る。
10分経過、首筋を流れる感激の雨。
ありがとう、役目を果たした者たちよ。
君たちのことは忘れません。
きっと私が忘れても、私自身が覚えています。
戦いを終えた戦士たちを、タオルに引き取ってもらったら、今度は熱々の体を冷やすためアイスルームに入る。
極寒、体の熱が一気に引き剥がされ、目の前にたくさんの養鶏場が乱立する。
あまり長居するところではないので、すぐに出て休憩スペースへ。
木のベット、揺れる椅子、ロフトスペースのふかふかのカーペット。
どうしたって副交感神経が私の体をリードする。
布を1、2枚羽織ってるだけの無防備な状態で、私は横になり目を瞑ってその時を過ごす。
肉食獣が涎を垂らしてやってくる。
でも私の体には近寄れない。
人間に生まれたことの幸福。
そして、XY染色体の悦び。
さてお次は85度の個室へ。湿度は25%。
私だけの空間。
誰にも邪魔をされないし、私も誰の邪魔もしない。
暑さはやがて心地よさに変わっている。
そうして全ての施設を楽しんだ私は、シャワールームで最後の仕上げをし、完全体となる。

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