幸せについて

 実は「幸せ」という表記になったのは江戸時代以降の最近の話で、もともとは「仕合わせ」と表記していました。
さらに語源をたどれば「仕合わせ」とは「為し合わす」でした。「為す」とは動詞「する」で、何か2つの動作などを「合わせる」こと、それが「しあわせ」だという意味です。つまりは、「誰かと何か行動をする」こと自体が「しあわせ」ということなのです。もともとは動詞であったことから、「しあわせ」とは状態ではなく「しあわせる」という行動そのものだったことがうかがえます。
 結婚しているとか、いい会社に就職しているとか、さらにはお金を所有しているという状態にしあわせはありません。結婚にしても、就職にしても、そこで誰と何をするのかがしあわせなのであり、お金や時間に関して言えば、そのお金と時間を使って誰と何をするのかがしあわせなのだろうと思います。
 いうまでもなく、その誰かとは異性に限らず、同性の友人であってもいいし、初対面の相手であってもいい。つまりは、しあわせとは「人のつながり」であり、「つながった人と何をするのか」が問われているのです。

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