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おまえの「いつも」は知らんけど

人の話を聞いてて「たしかにその通りだ」と思って心に残ってしまうフレーズがあります。

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あるパーティーでのことでした。ここで言うパーティーというのは乱れたり交わったりする可能性もゼロではないかもしれないパーティーと思ってください。

初めて参加した青年が、隅っこでおどおどして誰ともお話しできないといった感じで目を泳がせていました。
ぼくは青年にはじめましてと挨拶がてらコップを渡し、お茶を注ぎながら「この界隈はどのくらいなのかしら……」「いつもどちら方面で……」少しでもリラックスしてくれればいいなと思い、当たり障りのない会話をしていました。
聞けばこの界隈は初めてではないようで、であればどうにかなるでしょうと思っておりました。

青年も肩の力が抜けてきたかなというあたりで、ベテラン女性がそれに気づき「こちらにいらっしゃいな」と声をかけてくださいましたので、いってらっしゃいと送り出しました。

しばらくしたあと、ションボリとした表情の青年をみつけ声をかけると「たちませんでした」と苦笑い。「緊張したみたいで」とのことです。緊張がスパイスになる方とストレスになる方に分かれるようで、ぼくはスパイス派なのですが、彼はストレス派だったようです。

青年が帰ったあとベテラン女性がこんなことをおっしゃってました。
「あのたたなかった彼『いつもは大丈夫なんですけど…』ってあわてて言い訳すんだけど、おまえの『いつも』は知らんのよ、あたしと向き合ってる今まさにいま立てよって話!」

たしかに。
「いつもは大丈夫なんだけど……」「今日は調子悪いかな……」そんなん言われても困りますよね。おまえのいつもは知らんけど。

ダメなときは潔くゴメンナサイしてサッと身を引こう。

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