見出し画像

【今更】PSP版デビルサマナークリアレビュー

令和も5年にいまさらクリアしましたよ、初代デビルサマナー。

結論:
かなり今風に近づいたメガテン

でもこれは、旧メガテン(真1,2,if)ファン向けだなぁと思いました。
システム周りは旧。テイストはカジュアル。

アトラスの意欲が垣間見えた、平成の良作だと思います。
ハッカーズのレビューはこちらから!

PSP版をPSVITAでプレイ。
20時間、64レベルでクリア。

プレイフィール

一般人がデビルサマナーの肉体に取り憑いて、架空の都市(横浜がモデル)の謎を解決する。

これだけで普通に面白い設定。
それをメガテンのシステムで遊べるんだからつまらないわけがない。

作品そのものの魅力は上位クラスだと思いました。
デザインやキャラ造形は流石に平成初期の匂いがこびりついているものの、リファインすれば現代でも通用しそう。レイ・レイホゥのサバサバした感じは嫌いじゃない。口が悪いところも。

BGMは全体的にかなり好きです。ボスバトルが特に好み。

増子先生なら納得。流石のお仕事です。

触ってみた感じとしては、「ここから遊べる」レベル。

正直、アトラスの過去作品って、遡れば遡るほど不便で遊びにくい印象。
特に現代的な他作品に触れて、その魅力を知ったクチからすると尚更。

SFC三部作とかに比べれば、遊びやすさがマイルドになってるので、まずはここから掘っていくのもありかも。正直、悪魔全書ないと合体なんかやってられん。

難易度は、工夫次第によってはだいぶ温く遊べます。
操作感はベタ移植にしてはキビキビとしていたのでストレスがないかも。ところどころの不便さはあるけれど。
早速レビューに入っていきます。

評価点

テンポよく進むシナリオ

コードネームは"キョウジ"推奨。カッコつけてSTEVENにしたら大変なことになった。

全体的に物語がハイテンポで進んでいきます。
一つ一つのイベントがあっさりとしているので、最近のゲームに胃もたれ気味なあなたにはちょうどいいかも?逆にあっけなさすぎるのは、それはそれでメガテンの魅力でしょう。美化。

いまいち敵役としてパッとしないシドさん。

テンポよく進むのは物語だけじゃなくて、戦闘も同様。
基本的にはAUTOでOK。今作のAUTOは細かく行動を指定できるので、僕みたいなめんどくさがり屋にとっては結構嬉しいシステム。旧メガテンはこうでなくちゃ。

魔晶変化や剣合体が面白い

輝煌星剣まで作った。かなり強い。結構楽しかったなぁ。

悪魔を有用なアイテムに変換するっていうシステム。
最近はめっぽうみないので、少し寂しいところ。
剣合体はアバドン王、アイテム化はP5Rが最後かな?

合体の組み合わせを調べるのはめんどくさいけれど、でも全書の存在がそれを楽にしてくれる。お金(今作はMAGだけど)を貯めればそれで解決できるのも嬉しいところ。

レベルさえ上げれば、単純に強い武器が手に入るのが剣合体の魅力だと思う。僕みたいなヌルゲーマーは特に。

ヨシツネが強すぎる

お前はどこまで”英雄”するんだ。

みんな大好き英雄ヨシツネのデビュー作。
作成に少し手間がかかるんだけど、そんなの気にならないぐらいの強さ。
正直コイツがいれば他の仲間はいらないレベル。火力高すぎ。
ヨシツネ推しはこのためだけにプレイしよう。幸せになれるから。

不満点

忠誠度システムがめんどくさい

今作は仲魔にしても忠誠度というパラメータをあげないと命令を聞いてくれません。その都合上、ストーリーをクリアするだけなら、主人公を脳筋にする方が手っ取り早いです。
実際、僕は主人公とレイの二人でほとんど攻略していました。

クリアレベル時のステ。力ガン振り。脳筋を信じろ。

この忠誠度システム、理解してなくてもクリアにはあまり支障ありません。剣合体で上位武器を作るとなると話は別だけど、そうじゃないなら
「妖精・龍王・魔獣・地霊・鬼女にはgiftしろ」ぐらいでいいかも。

ちなみに、CLに応じてアイテムを変えると楽。

CL2→魔石(3〜4個で1つ上がる)
CL3→チャクラドロップ(大体2個で1つ上がる)
CL4→宝玉(1個で1つ上がる)

こんな感じ。僕の理解もこんなもん。

前後列の概念の不利感

個人的に面白くないシステムのひとつ。
エンカ次第で全滅がちらつくし、戦闘全体のテンポも損なう。
後列に状態異常系の悪魔が控えてるテーブルは、単純にプレイヤーに不利。
そのくせ、主人公が即死するとゲームオーバーなので、特に理不尽を感じた場面でした。CHARMしてきたやつ許さんぞ。

プレイ時間の大半は稼ぎ

16時間でクリアしましたが、そのうちの半分はずっと稼ぎ作業です。
序盤に書いたように、シナリオのテンポが早いので、飛ばし気味で進めればあっという間にEDへ。
プレイ時間の大半は、ダンジョン探索とレベル上げに終始するんじゃないかなぁ。
ちなみに僕は、ダンジョンは攻略をガッツリ見ました。すみません。
大人になってからレベル上げが苦痛だったんだけど、本作はそこまでつらくなかった印象。
前述の通り、テンポの良さが苦痛を軽減してくれたと思う。だからと言って楽しいものではないけれど。

ヨシツネが強すぎる

クリア時のレベルは64でしたが、59レベルで余裕にクリア可能です。

ラスダンで拾える。真空刃(タルスクカジャ)が強すぎる。

お供にヤマタノオロチが欲しいので59。真空刃が強い。

HASSO-BEAT(八艘飛び)のセンスに脱帽。何食ったら思いつくんだ。

強い強いとは聞いてたけれど、本作が一番ぶっ壊れてる。
ゲームバランスを考えるなら作らないほうが吉。
でも、そもそもオフラインゲームだし、プレイの仕方は個人の勝手なのでお好きにどうぞ。もしかして不満点になってない?

総評

「東京を破壊しなかった」という、半ば真1を否定するようなメガテン。
ゲームとしてはお粗末な部分が見え隠れするものの、興味を惹く設定や独特の魅力が感じられました。

恐らくアトラスとしても手応えはあったようで、メガテンの基幹システムはそのままに、少しずつ内容をズラしたコンテンツを量産するタームに入ります。
ゲームとしてはもちろん、アトラスの作風を広げたという点でも、非常に価値のあるゲームに感じられました。

メガテンの変遷を感じたい方はぜひプレイすることをオススメします。
クリアレビューが一区切りついたら、メガテンの変遷の記事も書いてみたいところ。

ですが、これはあくまで「アトラスファン」の視点ならばこそ。
「一般的なユーザーがvitaやpspを新規購入してまでやるべきか」と問われると、答えはNO。

僕は本作とペルソナ1、2のためにvitaを買ったけど、本作だけなら不満たらたらだったと思う。
少しでも気になるなら買ってもいいかも。
vitaのps storeがまだ生きているうちに(2023年2月現在)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?