マガジンのカバー画像

世界の秘密

66
世界の秘密についてをまとめた掌編集
運営しているクリエイター

記事一覧

世界の秘密について

あらすじ これは、ある日インターネットで発見された「世界の秘密」について記しているとされ…

第65話『魔法の杖と亀』

 全ての夢が叶った後、真夜中にサーカスの天幕の下に行くと、魔法の杖と亀のどちらかを選ぶ最…

第64話『小さな小さな劇団』

 スカラベの甲羅で作った小さな仮面が、今も大英博物館に収蔵されています。  この仮面つけ…

第63話『大親分の手並』

 ある時、盗賊の大親分が手下に裏切られていると気がつきました。  自分に慢心があったとは…

第62話『弾丸が正しく心臓を貫く以前』

 運命を強固に決められてしまう以前、弾丸は花粉が飛ぶように飛ぶこともできました。  その…

第61話『長雨と税吏』

 長く雨が続き、その地方のあらゆる土地が数年に渡って水浸しになることがありました。  し…

第60話『猿の目的』

 晴れ渡った空の下、かつて繁栄を極めた都市の瓦礫を背にした海辺で、磁石を持った猿が佇んでいました。  十分に機械化された猿は、自らの蒸気機関を動かし、更に多くの猿を製造するための歯車の材料になる金属を探しているのでした。  今は平常に戻っていますが、少し前までは、機械の排斥が盛んに行われ、人は再び自分たちの手仕事を全ての産業の中核に据える闘争を実行したのでした。  猿が仕事をしていた場所はさながら墓所の様で、まだ完全に動くことのできない猿たちが、いつされるとも知れない修理を待

第59話『約束と油断』

 意外と本当のことなので、少し気をつけて見てみると、水が吹き出す噴水の水が、二つの方向に…

第58話『臆病な男の決断』

 男はとても臆病な性格で、本来の旅の目的があったと伝えられていますが、それは何だったか詳…

第57話『鍵にかかる呪い』

 鍵には時々、とても危険な運命が宿り、鍵をかけて守るものそのものよりも、鍵自体に大きな意…

第56話『記憶の街』

 セルジューク・トルコの軍勢が、多くの塔の立ち並ぶその街を包囲したのは、麦の収穫を控えて…

第55話『蜜蜂の全て全ての蜜蜂』

 ある朝、養蜂家は蜂がどこにも居なくなっていることを発見し、半ば自棄になりながら、周囲を…

第54話『静かに暮らす姉妹』

 人里を離れて豆を育てて暮らしている姉妹が居ました。  姉も妹も、透き通った美しい瞳をし…

第53話『苦難への誘い』

 眠っている時に届いた招待状を受けて出かける時には、出かけた先で口数を減らす様に気を付けるべきだいう教訓は、かつてギリシアで信じられていました。  多くの求婚者と競争をしてその命を奪ったことで知られるアタランテーが、アルゴー号の英雄たち加わることができずに失意の中にあった頃、夜明け前に使者が訪れ、出向いていくとその先で何かの腕比べを仕向けられるということが起こったそうです。  アタランテーは強く美しはあったものの、女であるために様々な苦難を味わうことになりました。  神託によ