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麺に使う小麦粉について

久々の更新になってしまいました、中沢製麺の中澤です☺️

今回は麺に使う小麦粉について書いていきたいと思います。業務用小麦粉は沢山ありますがどうやって選べばいいかという話です。

業務用小麦粉のカタログをみるといろいろな小麦粉があります。ネット上で探したらちょっと古いですがオンラインカタログがありました。

大抵の小麦粉には「タンパク値」と「灰分」の数値が書かれています。タンパク値は前回の製麺の話でも書いたグルテンの量です。なのでタンパク値が多いほど弾力の強い・伸びにくい麺になると言われています。

そして、タンパク値で小麦粉の種類が分類されることがあります。よく見る強力粉(準強力粉)・中力粉・薄力粉という分類です。明確に「タンパク値いくつが強力粉」などと決まっているわけではないようです。なので同じタンパク値7.5%でも商品によって中力粉だったり薄力粉だったりします。昔はこの分類でだいたい使用用途が決まっていました。

強力粉→パン用・そばつなぎ用  準強力粉→ラーメン用 中力粉→うどん用   薄力粉→菓子用

みたいな言われ方をしていました。ただ、2000年代以降はここら辺の分類はかなり崩れてきました。飲食店が増え、食べ物の種類が増えいろいろなニーズがある中で、中力粉でラーメンを作ったりなどあまりこの分類方法が意味をなさなくなってきています。なのでこんな分け方もあるよ的なニュアンスで捉えてもらえれば麺を作る上では十分だと思います。

準強力粉というのはあまり聞かないと思いますが、「強力粉の中でも経時での色調変化を抑えているのが準強力粉」と聞いています。パンは焼いてしまえば色が悪くなることはありません。でも、麺は製造したてと1週間経ったものを比べるとだんだんと色が黒くなっていきます。なので麺用に色調変化を抑えた強力粉が準強力粉だそうです。

ここからは私の感覚の話になっていきます。カタログをみてタンパク値が高い方が弾力が強くて伸びにくいと思って小麦粉を試してみるとあれ?と思うことがあります。「タンパク値高いけど伸びる」というやつです。やはり小麦粉の種類によって、タンパク値・灰分というカタログの数値以外の要素も違ってきます。でん粉の質や麩質の量など全然違います。また、小麦の種類によっても同じタンパク値でも食感は違います。なので私の場合は最近はタンパク値全然当てにしてません😁 試して自分の中でイメージをつかんでいる感じです。

カタログに載っているもう一つの灰分というのは、この数値が高いほど小麦粉を捏ねたときに色が黒くなります。日清製粉のオーションなんてみると灰分0.52%なので大分黒いです。中沢製麺 麺の直売所でオーション中華麺を販売しているのですが、知らないお客さんは「これそばじゃないの?」とよく聞かれます☺️ そのくらい灰分が多いと麺が黒くなります。 色が綺麗な麺を作りたければ灰分の少ない小麦粉を使えばよいわけです。

灰分は小麦の粒でいうと外側の方が多いです。タンパク値も小麦の粒の外側の方が多いです。蕎麦でも小麦でも米でも真ん中の方がでん粉が多くなる傾向にあります。

また、基本的には灰分が少ない色が綺麗な小麦粉ほど価格は高くなることが多いです。逆に色が黒くなりやすい小麦粉は価格が安い傾向にあります。最近はそうではない小麦粉もあります、「伸びにくい」や「香りがよい」などいろいろと特長のある小麦粉も増えていてそういった小麦粉は色調に関係なく価格が高い傾向にあります。

以上が麺に使う小麦粉について①でした。 

中沢製麺ではこういった業務用小麦粉を30種類ほど組み合わせて麺を作っています。一般的な製麺会社ではあまり無いことかと思います、めんどくさいので☺️ それだけいろいろな麺が作れるということです。

https://nakazawa-seimenshop.com/items/5f6c3c6e93f61905d85ea5f6

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