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男はつらいよ第17作~ヒロインは太地喜和子~を見て。最後に笑わせてくれる大好きな作品。

以前に見た寅さんシリーズの見た感想をまとめるシリーズ。

この作品は、最後にあっと言わせてくれる作品。ヒロインは太地 喜和子。舞台はたつの。兵庫県の古い町。街並みが良く残っていることがうかがえる。僕は街道町とか、古い町並みが残っているところが好きで、たつのは名は聞いたことがあり、行ってみたいものだ。そこの芸者と寅さんの恋の物語が軸となる今回。

寅さんには3つの軸となるストーリーがあるとみている。今回は、それが第1軸で、さらにそこに、2つ目の軸が、飲み屋で出会うルンペン風の男。この男が、あとになってわかるが有名な画家なのである。この男の無線飲食の現場に立ちあったことから寅さんの運命が変わる。もっとも、この画家と出会ったから、それをきかっけにたつのに行くことになり、芸者とも出会うわけだが。

たつののロケで市役所の連中が出てくるのも、男はつらいよシリーズでは初めて見たか。地元出身の画家を公用でもてなす様子が前時代的で牧歌的。ほんとにこんな世の中があったのだろうかと思うがなんかほほえましい。本当にこの1970年代は良い時代だったのだろうな。
そして市役所の課長の部下の職員役で出てくる不真面目な男が寺尾聡。これも独特な存在感を放つ。上司の課長の役が見事に腰ぎんちゃくの小役人にはまり役だからこそか。この俳優は好きかも。

さらに寅さんが、芸者に何度も、所帯を持とう、と言っているのに驚く。あまりこういうシーンはこれまではなかったように思う。女にもてる寅さんだから、自分からはあまり期待させることは言わないはず。冗談とはわかっていても期待するだろう。不思議な感じ。

3つ目の軸が、芸者の投資話に騙されてお金をとられてしまう話。これに寅さんの恋心と画家の気持ちが入り込んできて面白くなる。最後にあっという間のドン電返しが結末として待っていて、面白い。

太市喜和子の演じる芸者ボタンの名台詞
「うちあんなに男の人の気持ち聞いたんはじめてや。もう200万円ならんかいらん。うちは幸せや」
「あの絵は誰にもやらん。200万円なんかいらん、1000万円出されてもやらん」
女の幸せとは何か。女とは何か。男とは何か。とても考えされるし見ても爽快な、好きな作品でした。寅さんを20作くらいみたと思うけど、3本の指に入るかな。

画像出典はこちら
https://www.shochiku-home-enta.com/c/japanese/japanese-drama/DB6517

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